FAQ : 故障かなと思ったら(Armadillo-410)

対象製品: Armadillo-410

Armadillo-410で故障かな?と思った時の確認手順を説明します。

ここで紹介する作業手順は、"Armadillo-410 の基盤本体に不良がある"のか、そうでないかを切り分けるための手順です。 手順通りに作業を進めた場合、Armadillo-410 本体のフラッシュメモリは初期化されますのでご注意ください。

確認は下の図のような流れで行います。

本FAQはArmadillo-410 液晶モデル開発セットに含まれる、拡張ボードを接続した状態を想定して書かれています。 故障かどうかの確認は、拡張ボードを接続した状態で行なってください。

目次

  1. 準備
  2. ACアダプタの確認
  3. ACアダプタの接続確認
  4. Hermitの起動確認
  5. Linuxの起動確認
  6. Linuxへのログイン確認
  7. 問題が解決しなかった場合は?

1. 準備

1-1. 作業用PCにATDEをインストールする

作業用PCにATDE5をインストールします。インストールの手順はArmadillo-410 ダウンロードページの「Armadillo-400シリーズ ソフトウェアマニュアル」を参照してください。

Armadillo-410(Linux 3.14)に対応したATDEは、ATDE5です。
1-2. Armadillo-410と作業用PCをシリアルケーブルで接続する

Armadillo-410のCON3と作業用PCをシリアルクロスケーブルで接続します。ストレートケーブルを使用している場合はArmadillo-410とPCで通信を行なうことができません。

1-3. ATDEでシリアル通信ソフトウェアを起動する

Armadillo-410とシリアル通信を行うために、ATDEでminicomを起動します。minicomは端末内で動作するシリアル通信ソフトウェアです。 "GNOME端末"を起動し以下のコマンドを入力します。


[ATDE ~]$ minicom

シリアル通信ソフトウェアの設定は以下の表を参考にしてください。

項目 設定
転送レート 115,200bps
データ長 8bit
ストップビット 1bit
パリティ なし
フロー制御 なし

もしATDEでシリアルポートが使用できない場合は、FAQ : ATDEでシリアルポートが使用できませんを参照してください。

2. ACアダプタの確認

Armadilloに電源を入れる前に、ACアダプタがArmadillo-410で使用できるものか確認します。Armadillo-410付属のACアダプタを使用している場合は問題ありません。そうでない場合は以下の表を参照してACアダプタが適切であるか確認してください。

出力電圧 出力電流 プラグ形状 極性マーク
5V 0.5A以上 EIAJ RC-5320A準拠(電圧区分2)
外径: 4.0mm
内径: 1.7mm
ac-adapter
可能であればテスターなどで、ACアダプタの出力電圧が適切であることを確認してください。

3. ACアダプタの接続確認

ACアダプタがArmadilloにしっかり接続されているかを確認します。 ジャンパをUARTブートモードに設定して、Armadillo-410にACアダプタを接続します。

ACアダプタがArmadilloに接続されていれば、LED5(黄)が点灯します。

ACアダプタがしっかり接続されていてLEDが点灯しない場合は、製品保証規定をご確認の上、交換のお申込みを行ってください。

4. Hermitの起動確認

Armadillo-410のブートローダであるHermitを起動することができるか確認します。 ジャンパを保守モードに設定してArmadillo-410にACアダプタを接続します。 以下のようにHermitのプロンプトが表示された場合は問題ありません。Linuxの起動確認に進んでください。


hermit>

もしHermitのプロンプトが表示されない場合はHermitを復旧してください。

4-1. Hermitの復旧

フラッシュメモリに書き込まれたHermitのイメージファイルに問題がある場合はHermitを起動することができません。そのためHermitのイメージファイルを書き替える必要があります。

まず、ACアダプタを抜いた状態でジャンパをUARTブートモードに設定します。

4-1-1. Hermitのイメージファイルをダウンロードする

フラッシュメモリに書き込むHermitのイメージファイルをダウンロードします。Armadillo-410 ダウンロードページからHermitのフラッシュイメージファイルをダウンロードしてください。

ダウンロードするファイルはloader-armadillo4x0-v3.X.X.binです。Xはバージョン番号です。最新のものをダウンロードしてください。

4-1-2. ATDEでshoehornを起動する

hermitを復旧できる状態にするために、ATDEでshoehornを起動します。ATDEで、minicomなどのシリアル通信ソフトウェアは事前に終了しておく必要があります。shoehornを起動するコマンドは以下の例を参考にしてください。


[ATDE ~]$ shoehorn --boot --terminal --target armadillo4x0 \
--initrd /dev/null \
--kernel /usr/lib/hermit-3/loader-armadillo4x0-boot-v3.X.X.bin \
--loader /usr/lib/shoehorn/shoehorn-armadillo4x0.bin \
--initfile /usr/lib/shoehorn/shoehorn-armadillo4x0.init \
--postfile /usr/lib/shoehorn/shoehorn-armadillo4x0.post --port [PORT]

[PORT]には、ATDE5のArmadillo-410を接続しているシリアルインターフェースを指定してください。/dev/ttyUSB0にArmadillo-410が接続されている場合は、[PORT]/dev/ttyUSB0に読み換えてください。

4-1-3. Armadillo-410にACアダプタを接続する

Armadillo-410にACアダプタを接続します。すぐにメッセージの表示が開始され、以下のようにHermitのプロンプトが表示された場合shoehornコマンドは成功です。


hermit>

もし失敗してしまった場合は、Hermitの復旧の手順を最初から確認してください。

4-1-4. Ctrl-Cを押下してshoehornを終了させる

shoehornを起動した"GNOME端末"でCtrl-Cを押下してshoehornを終了させます。このとき、ジャンパの設定を変更したりACアダプタを切断したりしないように注意してください。

4-1-5. Hermitをフラッシュメモリに書き込む

hermitコマンドを使用してHermitのイメージファイルをフラッシュメモリに書き込みます。hermitコマンドのオプション--input-fileの引数には、Hermitのイメージファイルをダウンロードするでダウンロードしたイメージファイルを指定してください。hermitコマンドは以下の例を参考にしてください。


[ATDE ~]$ hermit download \
--input-file loader-armadillo4x0-v3.X.X.bin \
--region bootloader --port [PORT] \
--force-locked

[PORT]には、ATDE5のArmadillo-410を接続しているシリアルインターフェースを指定してください。/dev/ttyUSB0にArmadillo-410が接続されている場合は、[PORT]/dev/ttyUSB0に読み替えてください。

Hermitの書き込み終了後は、再度Hermitの起動確認を行なってください。もし失敗してしまった場合は、Hermitの復旧の手順を最初から確認してください。

5. Linuxの起動確認

Linuxの起動を確認します。

5-1. Linuxの起動オプションを確認

ジャンパを保守モードに設定してArmadillo-410にACアダプタを接続します。

Linuxの起動オプションが適切に設定されていない場合はLinuxを起動することができません。 setenvコマンドを入力してLinuxの起動オプションを確認します。

以下のようにHermitのプロンプトのみが表示された場合は問題ありません。Linuxの起動を確認へ進んでください。


hermit> setenv
hermit>

もし、以下のようにLinuxの起動パラメータか表示された場合は、Linuxの起動オプションの初期化を行なってください。


hermit> setenv
1: console=tty1
hermit>

5-2. Linuxの起動を確認

ACアダプタを抜きジャンパをオートブートモードに設定してから、Armadillo-410にACアダプタを再び接続します。

起動ログが表示され、以下のようにログインプロンプトが表示された場合は問題ありませんのでLinuxへのログインに進んでください。


armadillo410-0 login:

もしログインプロンプトが表示されなかった場合は、Linuxの復旧を行ってください。

5-3. Linuxの起動オプションを初期化

Linuxの起動オプションが適切に設定されていない場合はArmadillo-410を起動することができません。以下のコマンドを入力して起動オプションを初期化してください。


hermit> clearenv
hermit>

起動オプションの初期化を行なった場合は、再度Linuxの起動オプションを確認してください。

5-4. Linuxの復旧

使用しているLinuxのイメージファイルに問題がある場合はLinuxを起動することができません。そのためLinuxのイメージファイルを書き替える必要があります。まず、ジャンパを保守モードに設定してArmadillo-410にACアダプタを接続します。

5-4-1. Linuxのイメージファイルをダウンロードする

フラッシュメモリに書き込むLinuxのイメージファイルをダウンロードします。Armadillo-410 ダウンロードページからLinuxカーネルとユーザーランドのイメージファイルをダウンロードしてください。ファイル名は以下の表を参照してください。

製品イメージ ファイル名
Linuxカーネル linux-a400-2.XX.bin.gz
ユーザーランド romfs-a410-2.XX.img.gz

Xはバージョン番号です。最新のものをダウンロードしてください。

5-4-2. Linuxカーネルをフラッシュメモリに書き込む

hermitコマンドを使用してLinuxカーネルのイメージファイルをフラッシュメモリに書き込みます。hermitコマンドのオプション--input-fileの引数には、LinuxのイメージファイルをダウンロードするでダウンロードしたLinuxカーネルのイメージファイルを指定してください。


[ATDE ~]$ hermit download --input-file linux-a400-2.XX.bin.gz --region kernel --port [PORT]

[PORT]には、ATDE5のArmadillo-410を接続しているシリアルインターフェースを指定してください。/dev/ttyUSB0にArmadillo-410が接続されている場合は、[PORT]/dev/ttyUSB0に読み替えてください。

5-4-3. ユーザーランドをフラッシュメモリに書き込む

hermitコマンドを使用してユーザーランドのイメージファイルをフラッシュメモリに書き込みます。hermitコマンドのオプション--input-fileの引数には、Linuxのイメージファイルをダウンロードするでダウンロードしたユーザーランドのイメージファイルを指定してください。


[ATDE ~]$ hermit download --input-file romfs-a440-[VERSION].img.gz --region userland --port [PORT]

[PORT]には、ATDE5のArmadillo-410を接続しているシリアルインターフェースを指定してください。/dev/ttyUSB0にArmadillo-410が接続されている場合は、[PORT]/dev/ttyUSB0に読み替えてください。

5-4-4. ブートデバイスをフラッシュメモリに設定する

ブートデバイスがフラッシュメモリに設定されていないと、先ほど書き込んだ Linuxのイメージファイルが使用されません。以下のコマンドを入力してください。


hermit> setbootdevice flash
hermit>

ここまでの手順が終了した場合は、再度Linuxの起動を確認してください。

6. Linuxへのログイン確認

Linuxにログインできるか確認します。まずは、Linuxの起動確認の手順に従ってログインプロンプトを表示させます。

ここでは、rootユーザでログインします。パスワードの入力時には画面に何も表示されませんが、rootと入力してEnterキーを押下してください。以下のようにLinuxのプロンプトが表示された場合は問題ありません。

ユーザー名、パスワードを変更したイメージを使用している場合は、変更したパスワードを入力してください。

armadillo410-0 login: root
Password: 
[root@armadillo410-0 (ttymxc1) ~]#

もしLinuxのプロンプトが表示されない場合はユーザ名およびパスワードを確認してください。

6-1. ユーザ名およびパスワードの確認

ユーザ名またはパスワードに誤りがないか確認します。標準イメージファイル1を使用している場合のユーザ名およびパスワードは以下の表を参照してください。 また、標準イメージファイルを使用していない場合は、Linuxの復旧を参照し、標準イメージファイルをフラッシュメモリに書き込んでください。

ユーザ名 パスワード
root root
guest (なし)

ユーザ名およびパスワードは、それぞれ小文字で入力する必要があります。CapsLockがオフになっていることを確認してください。

7. 問題が解決しなかった場合は?

本手順は、動作モードの設定や使用するイメージファイルにより結果が変わってしまいます。 問題が解決しない場合は、手順に注意し再度確認してください。

手順通りに作業を行い問題が解決しない場合は、製品保証規定をご確認の上、交換のお申込みを行ってください。

Appendix. ジャンパの設定

Armadillo-410は、ジャンパの設定を変えることで、起動時の動作を変更することができます。起動モードの名称と動作の関係については以下の表を参照してください。

起動モード名称 起動時の動作
オートブートモード Linuxカーネルを起動
保守モード Hermitコマンドプロンプトを起動
UARTブートモード CPU オンチップブートROMを起動

Armadillo-410のジャンパは、以下のように配置されています。

ジャンパ 配置場所
JP1 Armadillo-410 CON15
JP2 拡張ボード JP2

詳細な位置については、Armadillo-410 ダウンロードページにある"Armadillo-410 ハードウェアマニュアル"を参照してください。

ジャンパの設定は以下の表を参考にしてください。

ジャンパの設定 JP1 JP2
オープン CON15をオープン ジャンパピンにジャンパソケットを接続しない
ショート CON15をショート ジャンパピンにジャンパソケットを接続する

A-1. ジャンパをオートブートモードに設定する

以下の表を参考にしてジャンパを設定してください。

ジャンパ 設定
JP1 オープン
JP2 オープン

A-2. ジャンパを保守モードに設定する

以下の表を参考にしてジャンパを設定してください。

ジャンパ 設定
JP1 オープン
JP2 ショート

A-3. ジャンパをUARTブートモードに設定する

以下の表を参考にしてジャンパを設定してください。

ジャンパ 設定
JP1 ショート
JP2 -

JP2は、オープン/ショートどちらの設定でも構いません。

UARTブートモードには、JP1を金属製の工具(M2のマイナスドライバー等)でショートすることで設定できます。その際、周囲のコネクタ等に工具が接触しないようご注意ください。

  1. Linuxの復旧で書き込んでいるLinuxのイメージファイルが標準イメージファイルです。 

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