Armadilloとは

5.IoTのT(Things)をArmadilloで実現


アットマークテクノは、「Armadillo」の提供を通じて培ってきたモノづくりのノウハウを背景として、産業用途に耐え得るような堅実な設計で、かつスピーディに、IoTの“T(Things)”を実現できる仕組みを提供しています。

「IoT(Internet of Things)」は、モノの情報(センサーデータ)を常時もしくは定期的に収集し、インターネット上で集約・分析することで新しいサービス価値を生み出す仕組みです。

IoTは、

  • モノの情報を取得するためのセンサーや装置などの「IoTデバイス(フィールドデバイス)」(IoTの“T”)
  • センサーデータを処理・分析する「IoTクラウド(クラウドアプリケーション)」(IoTの“I”)

の2つの領域から構成されています。

IoTデバイスプラットフォーム

アットマークテクノは、センサー、ゲートウェイ、コネクティビティまで、フィールドデバイス(IoTデバイス)を構成する各要素を包含する「IoTデバイスプラットフォーム」を提供しています。IoTデバイスプラットフォームは、各要素を選択して組み立てることでIoTの“T(Things)”のモノづくりを実現できる仕組みです。

アットマークテクノが定義する「IoTデバイスプラットフォーム」は、以下のモノとサービスをカバーしています。[*1-1]

ユーザー(開発者)は、「IoTデバイスプラットフォーム」に含まれるモノとサービスの中から、実現したいIoTシステムの構成に合わせて必要なものを自由に選択し、組み立てることで[*1-2]、IoTの“T(Things)”一式を手軽に設計・調達することができます。15年以上にわたりさまざまな組み込み機器に採用されてきた「Armadillo」のノウハウをベースとしているため、品質も安心です。

[*1-1] 製品シリーズにより各モジュールの対応/非対応があります。なお、オプションは、パートナーから提供されているものもあります。
[*1-2] オプション品やオプションサービスは、アットマークテクノからの提供されている他、パートナー各社からも提供されています。


IoTデバイスプラットフォームでIoTの“T(Things)”を実現する

IoTデバイスプラットフォームを利用してIoTの“T(Things)”を実現する方法を、以下で説明します。

【1】 ArmadilloでIoTの“T”を開発する
【2】 ArmadilloでIoTの“T”を製造・運用する

【1】 ArmadilloでIoTの“T(Things)”を開発する

アットマークテクノのIoTデバイスプラットフォームは、センサーデータを収集しIoTクラウドに渡すまでの「フィールドデバイス」が担う部分をカバーしています。
IoTデバイスプラットフォームを利用することで、フィールドデバイスのハードウェアの設計開発にかかる時間をグッと短縮し、空いたリソースをIoTシステムの価値を大きく左右するクラウドアプリケーション部分に充当することができます。

アットマークテクノのIoTデバイスプラットフォームを使用した開発では、可視化や他のクラウドサービスとの連携や、機械学習やディープラーニングを使用した複雑な分析工程などは、IoTクラウド側で実装します。クラウドアプリケーションの開発は、ユーザー(開発者)自身が都合のよいIoTプラットフォーム(クラウドプラットフォーム)を選択(またはオンプレミスサーバーを準備)して開発・実装する前提です。

以下では、IoTデバイスプラットフォームを構成するゲートウェイ」、「センサー」、「コネクティビティについて、順に説明します。

ゲートウェイ

センサーなどのエンドポイントのデバイスとIoTクラウドの通信を中継する「ゲートウェイ」の機能は、Linux搭載の組み込みCPUボード「Armadillo」をベースに実現します。

Armadilloとは

Armadillo本体の形状は、①組み込みボード型②IoTゲートウェイ型の2種類から選択できます。

① 組み込みボード型

装置に組み込む前提・柔軟に拡張可能
拡張インターフェース搭載

② IoTゲートウェイ型

そのままIoTゲートウェイ端末にできる形状・ハードウェアの設計開発が不要
3G/LTE標準対応

Armadillo-X1(組み込みボード型)、Armadillo-IoTゲートウェイ[*2-1](IoTゲートウェイ型)は、NXPセミコンダクターズ製高性能SoC「i.MX 7Dual」を搭載しています。コアクロック1GHレベルのCPUを搭載しているので、エッジコンピューティングなど、ゲートウェイに負荷のある処理を実装したい場合にもおすすめです。

各製品シリーズの仕様概要の比較

IoTの“T(Things)”のハードウェア

IoTの“T”の構成は、

 ①通信機能を持つインテリジェントなセンサーデバイスを直接WAN(LTEや3Gなど)に接続する場合
 ②通信機能を持つ装置を利用する場合
 ③通信機能を持たないセンサーや装置などのエンドポイントデバイスをIoTゲートウェイで中継する場合

の3通りが想定できます。

Armadilloは、「組み込みボード型」「IoTゲートウェイ型」の2つの形状で製品を提供することによって、上記の各パターンをカバーします。

● 組み込みボード型Armadillo:IoT装置に内蔵

前述の
 「①通信機能を持つインテリジェントなセンサーデバイスを直接WAN(LTEや3Gなど)に接続する場合」
 「②通信機能を持つ装置を利用する場合」
では、制御対象の機器や装置そのものにIoTクラウドとの通信機能を実装して、IoTクラウドとの通信を実現します。

組み込みボード型のArmadilloは、Webカメラやインターネット通信機能を持つ自動販売機などのように、機器や装置そのものに通信機能を持たせたい場合に便利です。インターフェースを拡張して利用されることを前提として設計されており、GPIOや拡張インターフェースなどを経由して、センサーモジュールやアクチュエーターと接続することができます[*2-2]。また、標準搭載のUSBやLANなどで、通信機能を実装することができます。

● IoTゲートウェイ型Armadillo:複数のエンドポイントデバイスの通信を中継

通信機能を持たない既存の機器・装置をIoT化したい場合は、前述の
 「③通信機能を持たないセンサーや装置などのエンドポイントデバイスをIoTゲートウェイで中継する場合」
のように、IoTゲートウェイを介することで、複数のエンドポイントデバイスをIoTクラウドと連携させることができます。

IoTゲートウェイ型のArmadilloは、3G/LTE通信モジュールを標準搭載しています。また、シリアル通信(RS232C/RS422/485)、デジタル入出力、Wi-SUNなどの省電力無線通信などの各種インターフェースに対応し、さまざまなセンサーや機器を接続することが可能です。
これにより、既存のセンサーや機器と接続して、既存システムの構成を変更せずに通信機能を実装し、センサーネットワークとIoTクラウドの間を中継することができます。

IoTゲートウェイ型のArmadilloは、専用ケースが用意されていることも特長の1つです。セミオーダー式でキッティングまで手配できる「BTOサービス」を利用することで、ハードウェアの量産の手間に煩わされずにシステム化することも可能です。BTOサービスを使ったIoTゲートウェイの量産については、以下のお「【2】ArmadilloでIoTの“T(Things)”を製造・運用する」項で説明しています。

ゲートウェイのアプリケーション

Armadillo本体(ゲートウェイ機能を含む)の挙動を決めるアプリケーションは、システム毎にユーザーが自由に設計・開発します。
例えば、

  • センサーネットワークとWANとのプロトコル変換
  • DHCPサーバーやルーター、ブリッジ(アクセスポイント)などの各機能
  • 「どのイベントが起こったらLEDが点灯してアラームを鳴らす」といった機器の挙動

などは、ユーザー自身が設計開発し、Armadillo本体に書き込むことで、組み込み機器やゲートウェイとして機能させることができます。

アットマークテクノでは、 ユーザー自身が上記のような設計・開発をより手軽にかつスピーディに実施できるように、OSやデバイスドライバなどの基本アプリケーション、専用の開発環境、サンプルアプリケーションなどをArmadillo各製品向けに提供しています。

Linuxプリインストール:Debian GNU/LinuxでPCライクに開発

Armadilloは標準OSとしてLinuxをプリインストールしているので、オープンソース資産を利用して自由にアプリケーションを開発することができます。
IoTにおすすめのArmadillo-X1、Armadillo-IoTゲートウェイ[*2-1]は、Ubuntuなどの源流で、安定性重視のためPCサーバー向けに広く利用されているディストリビューション[*2-3]「Debian GNU/Linux」を採用しています。
Debian GNU/Linuxで開発する場合は、従来のように組み込み開発向けの専用ディストリビューション[*2-4]でカーネルのビルドやイメージファイルの生成を行う必要がなく、もっとPCライクに開発することが可能です。 また、Debian GNU/LinuxはもともとPCサーバー向けのディストリビューションのため、あらかじめ豊富なパッケージが用意されています。PythonやGoなどのスクリプト言語や、クラウド親和性の高いHTTP、MQTT、Web Socketなどのプロトコルスタックなども、Debian GNU/Linuxのパッケージ群からArmadillo本体に簡単にインストールすることができます。

組み込み開発特有の制限事項

IoTゲートウェイは通常、PCやサーバーと比較すると搭載しているメモリやストレージの容量も少なく、ストレージの書き込み回数制限など、組み込み開発特有の制約を念頭においた開発をする必要があります。突然の電源断などが発生した場合の挙動や、メモリ不足や電源断でストレージへの書き込みエラーが発生した場合の対処などを含め、ユーザー(開発者)が自ら設計・実装しなければなりません。
Armadilloはこれらの組み込み機器特有の開発ポイントを紹介したHow Toや開発ブログなどをWebサイトで公開してる他、ユーザー同士で情報交換できるフォーラムも開設するなど、技術情報の流通に積極的に取り組んでいます。

Armadilloをもっと知る(技術方法を入手する方法)

センサー

モノのデータを取得するためのセンサーは、アットマークテクノが提供するセンサーまたは各センサーメーカーが販売しているセンサーデバイスの中からチョイスします。

センサーとの接続インターフェース

センサーや機器との接続インターフェースは多種多様です。多様なセンサー・機器と接続するため、Armadilloには、「アドオンモジュール」でインターフェースを柔軟に追加できるシリーズ(Armadillo-IoTゲートウェイG3Armadillo-X1 )が用意されています。

RS422/485、デジタル入力/出力の他、Wi-SUNやEnOcean、その他の省電力無線規格対応など各種展開されているアドオンモジュール(アットマークテクノまたはパートナー各社から提供)の中から、つなぎたいセンサーの接続インターフェースに合わせて必要なものをピックアップすることが可能です。

センサーパッケージ

温湿度/人感/開閉の各機能に対応したセンサーと、ゲートウェイとの通信インターフェースとなるWi-SUNアドオンモジュールをセットにした「センサーパッケージ」をアットマークテクノから提供しています(Armadillo-X1、Armadillo-IoTゲートウェイG3に対応)。量産増設時は、センサー本体の提供元(株式会社ディーディーエル)からセンサー本体の単体販売も行っています。

IoTセンサーパッケージについて

コネクティビティ

Armadilloをインターネット(WAN)と接続するには、

  • インターネット接続済みのルーターを介して接続する方法
  • モバイル回線(3G/LTE)を介してArmadilloを直接インターネットに接続する方法

があります。

インターネットルーターを介して接続する

Armadilloのほぼすべてのシリーズで標準されているLAN、またはArmadillo-X1やArmadillo-IoTゲートウェイG3/G3Lで標準対応しているWLANインターフェースでインターネットルーターを接続します。

モバイル回線(3G/LTE)で接続する

Armadillo-IoTゲートウェイシリーズは、3G/LTEに標準対応しています。

モバイル回線対応のIoTゲートウェイ

  • Armadillo-IoTゲートウェイG3
    3G通信モジュールを標準搭載しています。LTEに対応したい場合は、パートナーから提供されているWWAN拡張ボードで拡張することができます(主要3キャリア対応)。

モバイル回線サービス

3G/LTEモジュールで通信したい場合のモバイル回線サービスは、アットマークテクノがデバイス運用管理サービス「node-eye」のオプションとして提供している他、MVNO各社が提供しているIoT/M2M向けのSIMも利用することができます。[*2-5]

[*2-1] Armadillo-IoTゲートウェイG3/G3L以降
[*2-2] 組み込みボード型のArmadillo-X1は「アドオンモジュール」に対応しており、アットマークテクノまたはパートナーが提供しているアドオンモジュールを載せ替えることで、RS232C/422/485、Wi-SUN、EnOcean、その他さまざまなインターフェースを追加することが可能。
[*2-3] ディストリビューション:Linuxカーネルの他、OSの動作に必要なライブラリやさまざまなツール、アプリケーションなどのソフトウェアをまとめて配布されるもの。
[*2-4] Armadillo-400シリーズ、Armadillo-800シリーズなどの従来の組み込みCPUボードシリーズでは、DebianをベースとしたArmadillo専用の開発ディストリビューション「Atmark Dist」を提供しています。
[*2-5] 量産に利用する際は、必ずお客様の責任で接続試験を行ってください。


【2】 ArmadilloでIoTの“T(Things)”を製造・運用する

フィールドデバイスの量産製造

IoTデバイスプラットフォームで開発したArmadilloベースのフィールドデバイスは、標準の量産ボードや量産品を利用する、または「BTOサービス」などアットマークテクノが提供するセミカスタマイズサービスを利用することで、効率的に量産手配することができます。

標準の量産品を利用する

Armadilloでは、シリーズ毎に量産向けのモデル(「量産ボード」「量産品」など)が用意されています。量産向けのモデルは、コネクタの実装や通信モジュールの搭載の有無など、オプション仕様が異なるものを複数ラインアップしている場合がありますので、開発するシステムにもっとも合致した仕様のモデルを選択してください。

セミカスタマイズサービスを利用する

標準で提供されている量産品では仕様に合致しないという場合は、アットマークテクノのセミカスタマイズサービスをご利用ください。

BTOサービス

Armadillo-IoTゲートウェイ向けに提供されているセミオーダーサービスです。

  • 通信モジュールの搭載有無
  • アンテナの添付/非添付、ケーブルの実装/添付
  • ACアダプタその他の添付品の添付/非添付
  • フラッシュメモリへのイメージ書き込み
  • SDカードなどの差し込み

などを指定できるメニューを用意しています。Armadillo-IoTシリーズは、ケーシングの有無までをBTOサービスで指定することができます。

BTOサービスについて

フィールドデバイスの運用

フィールドデバイスの運用・メンテナンスの効率化に役立つオペレーションサービスを提供しています。

デバイス運用管理サービス「node-eye(ノード・アイ)」

IoTゲートウェイの死活監視、リソース監視、リモートアップデートなどをクラウド経由で実施できるサービスです。
Armadillo-IoTゲートウェイ、Armadillo-X1に対応しています。
IoTゲートウェイの稼働状況を遠隔監視できるので、メンテナンスを効率化したい場合などにおすすめです。

主な機能

IoTゲートウェイの運用時に必須となる、以下の基本機能を含んでいます。

  • 死活監視機能:IoTゲートウェイの可用性監視、異常発生時のアラート告知機能
  • リソースモニタリング機能:CPU使用率やメモリ利用状況などを監視
  • リモートコンフィグ機能:IoTゲートウェイの設定情報をクラウド側からゲートウェイに反映
  • リモートアップデート機能:IoTゲートウェイのファームウェアをクラウド側から更新可能

申し込みするだけ

Armadillo専用のサービスで、対応製品には専用のエージェントソフトウェアがあらかじめ組み込まれています。契約手続きを行った後、Armadillo本体で簡単な設定をするだけで、すぐにサービスを利用開始することができます。

月額サービス

接続するArmadilloの台数に応じて料金が変動する従量制のサービスです[*3-1]。月額課金なので、システムの運用状況に応じてスケールしやすいことが特長です。

node-eyeについて

[*3-1] 別途初期費用が必要です。


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