ルーターとして使用する方法を例に沿って説明します。例として取り上げるネットワーク環境は、グローバルなIPアドレスをDHCPで取得する環境です。
ここではルーティングの機能だけを記載し、DHCPサーバやNATなどは別途説明します。
1. Ethernetポートの追加
Armadillo-9には1つしかEthernetのポートがないため、もう一つポートを用意する必要があります。CFタイプのものもありますがCFカードを使用したいので、この例ではUSBタイプのものを用意しました。
用意したアダプタは I/O DATAのUSB-ET/TX-Sです。カーネルを再コンパイルしてこのアダプタを利用可能にします。また、NATも有効にしておきます。make menuconfigでカーネルの設定を選択し、
USB Support ---> < > USB Pegasus/Pegasus-II based ethernet device suport ... Networking options ---> IP: Netfilter Configuration ---> < > Connection tracking (required for masp/NAT) < > FTP protocol support ... < > Connection state match support ... < > FULL NAT < > MASQUERADE target support
以上を選択してからカーネルを再コンパイルし、Flashメモリを書換えてください
2. Debianの準備
Debianが準備されていない場合は、Debianのセットアップを行ってください。 また、インターネットに接続できる状態にして下さい。
ディスプレイとUSB LANアダプタを接続してArmadillo-9を起動後、最初に日本語を表示できるようにします。
[armadillo ~]# apt-get update [armadillo ~]# apt-get install xfonts-base [armadillo ~]# jfbterm
USB LANアダプタが正しく利用できるかログで確認します。/var/log/messageを開き以下のような記述があれば大丈夫です。
pegasus.c: eth1: IO DATA USB ET/TX-S pegasus.c: setup Pegasus II specific registers
3. Networkの設定
USB LANアダプタをグローバルネットワーク側、オンボードのLANをローカルネットワーク側に割り当てます。
/etc/network/interfaces を以下のように編集します。
[armadillo ~]# loopback auto lo iface lo inet loopback [armadillo ~]# local network auto eth0 iface eth0 inet static address 192.168.10.1 netmask 255.255.255.0 [armadillo ~]# global network auto eth1 iface eth1 inet dhcp
ルーティングを有効にするため /etc/network/option を以下のように編集します
ip_forward=yes
以下のコマンドを実行するとネットワークの設定が変わり、ルーティングが行われるようになります。
[armadillo ~]# /etc/init.d/networking restart