Armadillo-600シリーズは、フィールド向けの機器・端末のプラットフォームとして豊富な採用実績を持つ小型・省電力でLinux採用の組み込みCPUボード「Armadillo-400シリーズ」の思想を継承しつつ、処理能力と搭載メモリをともに大幅にグレードアップさせた、次世代のLinux組み込みプラットフォームです。高性能ながら省電力性能を向上、さらに耐環境性を追求するなど、量産時の使いやすさを重視した堅実な設計が特長です。
Armadillo-640は、従来のArmadillo-440のコネクタ配置を踏襲したシングルボード型モデルです。
CPUコアクロックは528MHzにアップ、メモリはArmadillo-440の約4倍の512MB(DDR3-800)、オンボードストレージは約4GB(eMMC)を搭載し、microSDカードスロットも備えています。従来のArmadillo-400シリーズに比べてハードウェア性能が大幅に向上し、アプリケーション開発の自由度が高くなりました。
Armadillo-440向けと同じ形状のオプションケース(樹脂製・金属製)もラインアップしているので、Armadillo-440から乗り換えるときも筐体を新規設計する必要がありません。
省電力モードを搭載し、「アプリケーションからArmadillo-640本体の電源をOFFにする」「RTC(リアルタイムクロック)のアラームで決まった時間に本体の電源をONにする」といった細かな電源制御が可能です[*1]。必要な時だけ本体を起動するといった運用が可能なので、バッテリーで稼動させるような機器にも適しています。
参考:
FAQ : どのパワーマネジメント状態を選択するのが良いですか?
FAQ : パワーマネジメント状態を省電力モードに遷移させた場合の消費電力はどのくらいですか?
[*1] 順次ソフトウェアアップデートにて対応予定です。
Armadillo-640は動作温度範囲-20℃~+70℃をカバーしています。
Armadillo-640は、シングルボード型ながら多くの拡張インターフェースを搭載しており、USB、LCD、シリアル、GPIO、I2C、I2S、SPIなどの拡張に対応します。量産向けに、リード部品コネクタを搭載したモデルの他、リード部品非搭載のモデルも提供する予定です。
Armadillo-640は、標準ルートファイルシステムにDebian GNU/Linuxを採用し、PCライクな開発が可能です。カーネルやデバイスドライバなどの基本アプリケーションはWebサイトで無償公開されているので、Linuxの豊富な開発資産も利用できます。
Armadillo-640とArmadillo-440の主なハードウェア仕様の違いは以下の表のとおりです。
※Armadillo-640の仕様の詳細は、Armadillo-640の製品マニュアルでご確認ください。
※端子機能、カーネルバージョン、開発環境などの違いについては、「FAQ : Armadillo-640: Armadillo-440との違い」 をご覧ください。
Armadillo-440 仕様 [参考] | Armadillo-640 仕様 | |
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CPU | NXPセミコンダクターズ製 i.MX257 ARM926EJ-S(400MHz) |
NXPセミコンダクターズ製 i.MX6ULL Arm Cortex-A7(528MHz) |
RAM | 128MB (LPDDR SDRAM) | 512MB (DDR3-800) |
ROM | 32MB (NOR型フラッシュメモリ) | 3.8GB(eMMC) ※SLCモードで動作 |
シリアル | RS232C×1, 3.3V CMOS×2 | RS232C×1, 3.3V CMOS×2(最大6) |
汎用入出力(GPIO) | 18bit(最大24bit) | 最大65bit |
USB | USB 2.0(Host)×2(High Speed×1, Full Speed×1) | USB 2.0(Host)×2(High Speed) |
ビデオ | LCD拡張可能(最大800×600/18bpp) | LCD拡張可能(最大WXGA 1366 x 768/18bpp) (専用LCDオプションセット別売) |
外形サイズ | 75.0×50.0mm (突起部を除く) | 75.0×50.0mm (突起部を除く) |
詳細やご購入に関するお問い合わせは、下記のWebフォームからお寄せください。