クロス開発用のgccを使って、Armadillo上で動作する実行ファイルをPC上で作成してみましょう。
ここでは、「Hello World!」と表示する、簡単なプログラムを作成します。
#include <stdio.h> int main(void) { printf ("Hello World! \n"); return 0; }
これを、hello.cというファイルとして保存し、次のようにコンパイルします。ホスト(PC)上で動作する実行ファイルを作成する場合はgccコマンドを使用しますが、クロス開発する場合にはgccの前に"arm-linux-"などのプレフィックスが付きます。
[PC ~]$ arm-linux-gcc hello.c -o hello
Armadillo-400シリーズで動作する実行ファイルを作成する場合は、プレフィックスが"arm-linux-gnueabi-"に変わります。Armadillo-9、Armadillo-200シリーズ、Armadillo-300、Armadillo-500系では、ABIとしてOABIを使用していましたが、Armadillo-400シリーズからはABIがEABIになっています。そのため、使用するツールチェインも異なるものを使用します。
[PC ~]$ arm-linux-gnueabi-gcc hello.c -o hello
作成した実行ファイル"hello"を、Armadilloで動かしてみましょう。 Armadilloにftpでファイルを転送したあと、chmodコマンドでパーミッションを変更して実行を許可します。"./hello"と入力すると、実行ファイル"hello"が実行され、「Hello World!」と表示されます。
[armadillo ~]# cd /home/ftp/pub [armadillo /home/ftp/pub]# chmod +x hello // 実行権を与えます [armadillo /home/ftp/pub]# ./hello // Armadilloで、「Hello World!」が表示されます。