IoTの“T(モノ、Things)”のデータを収集するIoTデバイス

いざ「IoTシステムを作る」となったとき、多くの担当者の前にIoTデバイス開発の壁が立ちはだかります。
単にセンシングデータを収集するといっても、実現するまでには、センサー素子の選択、センサーデバイスの通信方法の検討と選択、インターネット接続を担うゲートウェイなどの機材の検討と開発、データの加工・前処理の検討など、検討しなければならない課題は多岐にわたります。

アットマークテクノは、組み込みプラットフォーム技術をベースに開発した IoTゲートウェイ「Armadillo-IoTゲートウェイ」シリーズ、 およびIoTセンサーそのものを実現する技術「Degu(デグー)」を通じて、 これらの課題への解決方法を提供しています。

IoTゲートウェイとは?

IoTゲートウェイとは、 センサー端末とクラウドサーバーの間のデータのやり取りを中継する機器です。 センサー端末が収集したセンシングデータをクラウドサーバー上にアップロードしたり、 クラウドサーバー側からの制御の情報をセンサー端末側に送信したりする役割を担います。

IoTゲートウェイはなぜ必要か?

IoTゲートウェイは、センサーなどの端末(モノ)と通信する機能と、クラウドサーバー(インターネット)と通信する機能の両方を持ち、両者を中継します。
もし個々のセンサー端末に直接インターネット通信する機能を持たせるとしたら、センサー端末の単価が跳ね上がってしまい、大量にセンサー端末量を設置したいような場合には不向きです。そこで、センサー端末とクラウドサーバーの間にIoTゲートウェイを置きます。IoTゲートウェイは複数のセンサー端末からのデータを収集し、クラウドサーバーに転送します。インターネット通信の機能をIoTゲートウェイにゆだねることにより、個々のセンサー端末はIoTゲートウェイと通信するだけの簡単な通信機能を搭載するだけで済むため、低予算で大量のセンサーを使うシステムを実現することが可能となります。

また、非力なセンサー端末に代わって、IoTゲートウェイがデバイスの認証・管理の機能を持ち、IoTデバイスのセキュリティを確保する場合もあります。 さらに、センサー端末から収集したデータをIoTゲートウェイが加工処理(エッジコンピューティング)してからクラウドに送信するようにすれば、クラウドサーバとの通信にかかる負荷も低減でき、より効率的なシステムを作ることができるでしょう。

アットマークテクノが提供する「Armadillo-IoTゲートウェイ」

アットマークテクノは、組み込みプラットフォーム「Armadillo」で培った技術を 背景に、IoTゲートウェイ向けのプラットフォーム「Armadillo-IoTゲートウェイ」シリーズ を開発、提供しています。

Armadillo-IoTゲートウェイ

Armadillo-IoTゲートウェイシリーズは、 IoTゲートウェイを実現するためのプラットフォームです。

  • モノづくりの手間がかからないプラットフォーム
    Armadillo-IoTゲートウェイシリーズはArmadilloブランドのその他のCPUボード製品とは異なり、 インターネット通信機能(3G/LTEなど)をあらかじめ搭載しています。 また専用ケースにケーシングできる構成で、ボード型製品のように機器の中に組み込むのではなく、 そのままゲートウェイ機器としてご利用いただくことを想定しています。
  • Linuxで自由にアプリケーション開発
    Armadillo-IoTゲートウェイシリーズは、各機能をプログラマブルに開発できる、 Debian GNU/Linuxプリインストールのボックス型製品です。 センサー端末との通信・データ加工方法やインターネット通信の方法など、 ゲートウェイとして実際にどういう機能を持たせるかについては、 ユーザー自身が企画し開発するアプリケーションの内容にゆだねられます。 接続したいセンサー端末の選択やそれらとの通信方法なども、ユーザー自身が 選択し、開発し、機能を実装していく想定です。

Armadillo-IoTはAWSとAzureの認証デバイスです

Armadillo-IoTゲートウェイ G3は、AWS、Microsoft Azureの各クラウドプラットフォームサービスから、認証デバイスとして認定を受けています。各クラウドプラットフォームのアカウントにログインして、機器の認証手続きを行い、必要なエージェントソフトウェアをArmadillo-IoT本体に書き込めば、各データハブサービスとの連携がすぐに実現できます。

「できるだけ開発したくない」という場合に便利な「Degu」

「IoTデバイスはできるだけ開発の手間をかけずに、とにかく簡単にモノのデータを 収集したい」というユーザー向けに、IoTセンサー技術「Degu」の仕組みに対応した 「Deguゲートウェイ」も提供しています。詳しくは以下をご覧ください。

IoTセンサー技術「Degu」

センサー端末を実現するには、センサー素子そのものやデータ形式に関する知識、 安価に通信機能を実現するための開発知識や電源供給に関するノウハウなど、組み込み開発に関する知識が必要です。 Deguは、たとえこれらの知識がないユーザーであってもDIYキットで組み立てるような感覚でIoTセンサーを実現できるように、という思い からはじまったオープンソースプロジェクトです。

IoTセンサーとは

「センサー」とは、モノの状態(温湿度、光、音、振動などさまざまな状態)を計測・判別し信号に置き換えるセンサー素子そのものから、データ加工や通信・制御などの機能を搭載した装置まで、さまざまな段階のモノを指します。
ここでは、センシングデータを送信する通信機能を持ったセンサー端末を「IoTセンサー」と呼びます。

IoTセンサー技術「Degu」をおすすめする理由

「Degu」の仕組みを使うと、組み込み開発の経験の浅い方でも、用途に応じたセンサー機能を持つIoTセンサー「Deguセンサー」を簡単に実現することができます。インターネットにはDegu専用のゲートウェイ「Deguゲートウェイ」経由で接続でき、AWSやMicrosoft AzureなどのIoTプラットフォームサービスでの認証手続きも簡単です。

データハブ上に集約したデータは、 クラウド上の各種サービス(たとえば機械学習や深層学習(ディープラーニング)など)から呼び出すことができます。 センシングデータを利用したアプリケーション部分は、ユーザーの自由な設計にゆだねられます。 Deguの仕組みでは、センシングデータはDeguセンサー上で一定の加工がされた後にデータハブ上に集約されるため、 クラウド上でのクレンジング作業の手間を軽減することが期待できます。

Deguを使えば、 「目的に合致するセンサーをどう実現するのか?」「通信機能はどう実装するのか?」といったIoT端末のハードウェア実現の悩み、通常センサーメーカーによって千差万別なセンシングデータの形式をどう読み取るか、プロトコル変換はどうするのかといった問題を気にせずに、クラウドアプリケーションでの付加価値の創造に専念することが可能になります。

Deguを始めるには、 ①Deguベースユニット(Deguセンサーの通信機能などを担うマイコンボードセット)、②Groveモジュール(Deguベースユニットに搭載するセンサーモジュール等)、③Deguゲートウェイ(Deguセンサーをクラウドに連携するまでを仲介するIoTゲートウェイ)が必要です。
アットマークテクノは、Deguゲートウェイを提供しています。

Deguは、簡単な設定を行うだけで、センシングからクラウドとのデータ連携(AWSなどのIoTプラットフォーム上のデータハブへのデータアップロード)までの仕組みを実現できます。

1. モジュールを選択~IoTセンサーのハードウェアを実現

Deguセンサーは、Seeed社が推進するGroveモジュールをDeguベースユニットに接続して試すことができます。
200種類以上のセンサーやアクチュエーターの中から選んでDIY感覚でハードウェアを作ることができるので、目的に応じたIoTセンサーを誰でも簡単かつスピーディーに、実現可能です[1]

2. サンプルコードをダウンロード~IoTセンサーのソフトウェア

Deguでは、Deguセンサー上にセンシングデータの閾値判定や平均化などの前処理内容をあらかじめ設定しておくことが可能です。 これらの処理はPython3系の言語「MicroPython」で記述することができます。また、 Deguセンサー上で処理したデータは、JSON形式でクラウドに転送される仕組みです。

Deguプロジェクトが中心となって、各GroveモジュールをDeguセンサーで利用するためのMicroPythonのサンプルコードを順次 GitHub上にオープンソース公開しています。 これらのサンプルコードをダウンロードし、必要があればパラメータなどをMicroPythonで簡単に書き換えて.pyファイルとして保存し、 Deguベースユニットの所定の箇所にコピー&ペーストすることで、 Deguセンサーのできあがりです。

3. 簡単設定でクラウド連携~個体認証とデータ転送

Deguセンサーはメッシュネットワーク対応の省電力無線IP通信規格「Thread®」でセンサーネットワークを構成します。
Threadメッシュネットワーク上に配置された「Deguゲートウェイ」がボーダールーターとなり、各Deguセンサーが収集したセンシングデータを受け取り、3G/LTEやLANなどでインターネット接続し、AWSなどのIoTプラットフォーム上のデータハブ(AWS IoT Coreなど)にセンシングデータを転送します。

Deguゲートウェイは、Armadillo-IoTゲートウェイ G3ベースのDegu専用のゲートウェイです。ゲートウェイ本体の開発は不要で、簡単なネットワーク設定だけでクラウドと連携することができます。
センサーなどのIoT端末をIoTプラットフォーム(AWSやMicrosoft Azureなど)で利用するには、IoTプラットフォーム上で個々の端末を個体認証する手続きが必要です。Deguの仕組みでは、Deguゲートウェイを介して、簡単な手続きだけでDeguセンサーの個体認証を実施することができます。

IoTセンサー技術Deguの詳細、具体的な使い方などは、「Deguサイト」で公開しています。
詳しくは以下からご覧ください。

[*1] Deguセンサーを量産する際は、Seeed株式会社とコアスタッフ株式会社が展開する「Degur量産設計サービス」を利用して、 小型化することも可能です(Deguベースユニットに搭載している機能の中から必要なものだけを絞り込み、 選択した筐体サイズに合わせて量産向けに基板を再設計します)。