FAQ

単体で購入したArmadillo-500 CPUモジュールでLinuxが起動しません

フラッシュメモリに、必要なデータを書き込んでください。

Armadillo-500 CPUモジュールを独自開発したボード(以下ベースボード)に接続して利用する際、マルチプレックスされているプロセッサ(i.MX31)の信号を正しく設定しないと、故障や破壊の原因になります。マルチプレックスの設定は、ブートローダやLinuxカーネルの初期化手順の一部として行われます。

単体出荷される Armadillo-500 CPUモジュールは、どのベースボードに接続されるか分らないため、最低限の機能を持つブートローダーがフラッシュ・メモリに書き込まれています。このブートローダーは、「Armadillo-500/zero」というプロファイルで定義されている Hermit-Atです。以下、このブートローダを単に「zero」と呼びます。

zeroが持つ最低限の機能とは、「シリアルインターフェースを使ってフラッシュメモリを書き換える」ことだけです。zeroは、たとえカーネルやユーザーランドのデータがフラッシュメモリに書き込まれていたとしても、Linuxを起動しません。間違ったマルチプレックス設定によってボードが壊れないように、システムを起動できないようにしてあるのです。

そのため、単体出荷された Armadillo-500 CPUモジュールを使う場合は、最初に利用するベースボード用データをフラッシュメモリに書き込む必要があります。多くの場合、以下の3つのイメージを書き換える必要があります。

  • ブートローダ
  • カーネル
  • ユーザランド

イメージの書き換え方法には、ベースボード(Armadillo-500開発セットのベースボード、Armadillo-500 FXボード)のソフトウェアマニュアルを参照ください。

フラッシュメモリの書き換え例 (Windows編)

以下では、Windows をつかってイメージを書き換える例を紹介します。書き換えるデータは、 Armadillo-500 開発セットのベースボード用です。

1. フラッシュ・イメージ書き換えツールのインストール

フラッシュ・イメージ書き換えツールは開発セットの付属CDまたは以下のリンクから取得できます。

ソフトウェアダウンロード

取得したZIPファイルを任意のフォルダに展開します。

2. フラッシュ・イメージの取得

フラッシュ・イメージは開発セットの付属CDまたは以下のリンクから取得できます。

ソフトウェアダウンロード

3. フラッシュ・イメージ書き換え前の準備

  1. 開発ボードの起動モードを保守モードに変更します。JP1 をショートして再起動してください。
  2. 開発ボードのCON6と作業用PCのシリアルポートを接続してください。
  3. シリアルポートが他のアプリケーションで使用されていないことを確認します。使用されている場合は、該当アプリケーションを終了するなどしてシリアルポートを開放してください。

4. フラッシュ・イメージの書き換え

  1. hermit-at-win.exe を実行してください。
  2. 開発ボードと接続されているシリアルポートを「Serial Port」に指定してください。
  3. ブートローダ・イメージの書き換え
    1. Imageには取得したブートローダ・イメージを指定してください。
    2. Region にはbootloaderを指定してください。
    3. Force Locked をチェックしてください。
    4. 実行ボタンをクリックしてイメージの書き換えを開始してください。
    5. イメージ書き換えの設定と進捗状況のダイアログが表示されます。イメージ書き換えが完了すると自動的にクローズされます。
  4. カーネル・イメージの書き換え
    1. Imageには取得したカーネル・イメージを指定してください。
    2. Regionにはkernelを指定してください。
    3. 実行ボタンをクリックしてイメージの書き換えを開始してください。
  5. ユーザランド・イメージの書き換え
    1. Imageには取得したユーザランド・イメージを指定してください。
    2. Regionにはuserlandを指定してください。
    3. 実行ボタンをクリックしてイメージの書き換えを開始してください。

5. フラッシュ・イメージ書き換えの確認

  1. JP1 をオープンにして再起動してください。
  2. フラッシュ・イメージの書き換えが正しく行われた場合、起動ログそしてログインプロンプトが表示されます。