Howto

Armadillo-900 への MIPI-DSI ディスプレイ接続例

概要説明

Armadillo-900 と Armadillo-900 開発セット本体を区別する必要がない場合は、それらを Armadillo と表記します。

本HowtoではArmadillo-900 開発セット本体に市販のMIPI-DSIディスプレイを接続し、簡単に動作確認を行います。

Armadillo-900 開発セット本体では FFC コネクタ(22 ピン/0.5mm ピッチ) で MIPI-DSI (最大4レーン) + I2C のインターフェース構成を採用しており、 同じ構成の市販のディスプレイを接続可能です。 15ピン-22ピン変換ケーブルを使用すれば、同構成の 15ピン/1mmピッチ のディスプレイも接続可能です。

Armadillo-900 としては、I2C以外(GPIOなど)による、電源制御やバックライト制御が必要な MIPI-DSI ディスプレイの接続も可能です。 回路設計の際には Armadillo-900 開発セット本体の回路図を参考にしていただけます。

Armadillo-900 開発セット本体での FFC コネクタ信号配置は次のとおりです。

ピン番号 ピン名 I/O A900との接続 説明
1 GND Power - 電源(GND)
2 DSI_DATA0_N Out DSI_DATA0_N MIPI DSI DATA0(-)
3 DSI_DATA0_P Out DSI_DATA0_P MIPI DSI DATA0(+)
4 GND Power - 電源(GND)
5 DSI_DATA1_N Out DSI_DATA1_N MIPI DSI DATA0(-)
6 DSI_DATA1_P Out DSI_DATA1_P MIPI DSI DATA0(+)
7 GND Power - 電源(GND)
8 DSI_CLK_N Out DSI_CLK_N MIPI DSI CLK(-)
9 DSI_CLK_P Out DSI_CLK_P MIPI DSI CLK(+)
10 GND Power - 電源(GND)
11 DSI_DATA2_N Out DSI_DATA2_N MIPI DSI DATA2(-)
12 DSI_DATA2_P Out DSI_DATA2_P MIPI DSI DATA2(+)
13 GND Power - 電源(GND)
14 DSI_DATA3_N Out DSI_DATA3_N MIPI DSI DATA3(-)
15 DSI_DATA3_P Out DSI_DATA3_P MIPI DSI DATA3(+)
16 GND Power - 電源(GND)
17 PTC10_3V3 In/Out PTC10 3.3V GPIO信号
レベルシフタ経由でA900に接続
18 PTB3_3V3 In/Out PTB3 3.3V GPIO信号
レベルシフタ経由でA900に接続
19 GND Power - 電源(GND)
20 LPI2C7_SCL_3V3 In/Out PTF4 3.3V I2C SCL信号
レベルシフタ経由でA900に接続
21 LPI2C7_SDA_3V3 In/Out PTF5 3.3V I2C SDA信号
レベルシフタ経由でA900に接続
22 VDD_3V3 Power - 電源(VDD_3V3)

動作確認済みのディスプレイ

動作確認済みのディスプレイではない場合、動作させるためにソフトウェア(デバイスドライバーやDTS)の修正が必要になる可能性があります。

動作確認済みのディスプレイ一覧は次のとおりです。

型番 解像度 レーン数 タッチパネル
WAVESHARE-24160 800x480 2 動作する
‎ZZ20200031-iie 800x480 2 動作する

同じインターフェース(MIPI-DSI + I2C)構成のディスプレイであっても、内部部品の違いにより動作に必要なソフトウェアが異なる可能性があります。 そのような場合は、 Armadillo-900 で動作するようにデバイスドライバーやDTSを修正していただく必要があります。

本手順に必要なもの

  • Armadillo-900 開発セット本体
  • コンソール操作用 USBケーブル (A オス-Type C)
  • 上記動作確認済みの MIPI DSI ディスプレイ
  • FFC (15ピン1mm ピッチ-22 ピン/0.5mm ピッチ変換) (ディスプレイに付属)

dtboの適用

ディスプレイを動作させるためには、適切な dtbo を適用して Armadillo を起動させる必要があります。

次のようにして /boot/overlays.txt の末尾に <dtbo ファイル名> を追記してください。 <dtbo ファイル名> に記入するファイル名については、その下の表を参照してください。

armadillo:~# vi /boot/overlays.txt
fdt_overlays=armadillo_900-evaboard.dtbo <dtbo ファイル名>

armadillo:~# persist_file -v /boot/overlays.txt; # 編集結果を保存
'/mnt/boot/overlays.txt' -> '/target/boot/overlays.txt'

現在、動作確認済みのディスプレイと対応する dtbo のファイル名は以下のとおりです。

型番 dtbo ファイル名
WAVESHARE-24160 armadillo_900-evaboard-con10-waveshare4-3-inch-dsi.dtbo
‎ZZ20200031-iie armadillo_900-evaboard-con10-waveshare4-3-inch-dsi.dtbo

次回起動時から、 overlays.txt に記述された dtbo が適用されます。

ディスプレイの接続

Armadillo の終了

ディスプレイの接続は、Armadillo の電源を落とした状態で行います。
Armadillo を poweroff してください。

armadillo:~# poweroff
: (省略)
Sent SIGKILL to all processes
Requesting system poweroff

poweroff が完了したら、 ACアダプタを抜いて電源を落としてください。

FFC の接続

  1. ディスプレイの説明書に従って、 ディスプレイに FFC を接続してください。

  2. ディスプレイに FFC を接続できたら、 Armadillo-900 開発セット 製品マニュアル - 5.5.12. MIPI DSIディスプレイ を使用する を参考に Armadillo に FFC のもう片側を接続してください。

正しく接続すると、次の写真のようになります。ケーブルの端子面の向きに注意してください。 (写真は ZZ20200031-iie を接続した場合のものです。)

動作確認

Armadillo を起動して次のコマンドを実行すると、ディスプレイに「Hello!!」の文字が表示されます。

[armadillo:~]# echo "Hello!!" > /dev/tty1

使用中のArmadillo のソフトウェアのバージョンによっては、起動した時点でログインプロンプトが表示されるものもあります。 その場合は、ログインプロンプトの後に「Hello!!」の文字が続き、以下のような表示となります。

Welcome to Alpine Linux 3.21
Kernel 5.10.237-0-at on an aarch64 (/dev/tty1)

armadillo login: Hello!!

GUIアプリケーション開発については、 Armadillo-900 開発セット 製品マニュアル - 7.8. GUI アプリケーションの開発 をご覧ください。