USB無線LANモジュールをArmadillo-9で使用してみます。
今回確認できたのは、ZD1211(B)というデバイスを搭載する以下のモジュールです。
- Planex社 GW-US54Mini (ZD1211搭載)
- Planex社 GW-US54GXS (ZD1211B搭載)
1. カーネルとatmark-distを用意する
ソフトウェアマニュアルを参照しながら各ソースを準備し、makeできることを確認しておいてください。(以下は一般的な例です)
[PC ~]$ tar zxf linux-2.6.12.3-a9-x.tar.gz [PC ~]$ tar zxf atmark-dist-xxxxxxxx.tar.gz [PC ~]$ cd atmark-dist-xxxxxxxx [PC ~/atmark-dist/]$ ln -s ../linux-2.6.12.3-a9-x linux-2.6.x [PC ~/atmark-dist/]$ make menuconfig (プロファイルを指定し、デフォルトコンフィグをを選択) [PC ~/atmark-dist/]$ make (各イメージファイルが完成)
2. menuconfigを行う
設定を変更するためにmake menuconfigして、カーネル・ユーザランド両方のconfigureを選択します。
[PC ~/atmark-dist/]$ make menuconfig
メニュー画面では以下の2つにチェックし、Exitして次のメニューに移ります。
Kernel/Library/Defaults Selection ---> --- Kernel is linux-2.6.x (None) Libc Version [ ] Default all settings [*] Customize Kernel Settings ←チェックを入れる [*] Customize Vendor/User Settings ←チェックを入れる [ ] Update Default Vendor Settings
3. カーネルコンフィグ
ZD1211チップのドライバを有効にし、Exitします。
※ビデオドライバが有効になっている場合、USB無線LANのパフォーマンスが著しく低くなる場合があるようです。ここでは同時に無効化しています。
Device Drivers ---> USB Network Adapters ---> ↓無効になっている場合チェックを入れる <*> USB ZD1211 based Wireless device support Graphics support ---> ↓有効になっている場合チェックを外す < > Support for frame buffer devices
4. ユーザランドコンフィグ
Wireless-toolsを有効にし、Exitします。
Network Applications ---> --- Wireless-tools [*] wireless_tools suuport ←チェックを入れる [*] iwconfig ←チェックを入れる [*] iwgetid ←チェックを入れる [*] iwlist ←チェックを入れる [*] iwpriv ←チェックを入れる [*] iwspy ←チェックを入れる
5. ZD1211デバイスの種類を合わせる
現在カーネルに含まれているZD1211デバイスドライバは、ZD1211またはZD1211Bのどちらかに対応するようにコンパイルされます。どちらのデバイスに対応するかを決定するため、linux-2.6.x/drivers/usb/net/zd1211_driver/Makefileを確認する必要があります。
a) ZD1211搭載(Planex社 GW-US54Miniなど)のモジュールを使用する場合
linux-2.6.x/drivers/usb/net/zd1211_driver/Makefile
# # .zd1211 - USB2.0 802.11b/g driver for Zydas ZD1211 chipsets # # # # set to 1 for zd1211b ZD1211REV_B=0 ←'0'にする必要があるので、違った場合変更します。 (以下略)
b) ZD1211B搭載(Planex社 GW-US54GXSなど)のモジュールを使用する場合
linux-2.6.x/drivers/usb/net/zd1211_driver/Makefile
# # .zd1211 - USB2.0 802.11b/g driver for Zydas ZD1211 chipsets # # # # set to 1 for zd1211b ZD1211REV_B=1 ←'1'にする必要があるので、違った場合変更します。 (以下略)
6. makeする
再makeし、新しいイメージを作成します。
[PC ~/atmark-dist/]$ make (各イメージファイルが完成)
後は、できあがったカーネル/ユーザランドイメージをArmadilloに書き込み、USBデバイスを接続して起動してください。
Armadillo起動後USBデバイスモジュールを認識すると、"wlan0"というネットワークデバイスが作成されます。
以降はWireless-toolsのドキュメントなどを参考にして、ネットワークの有効化を行なってください。
Wireless Tools for Linux
無線LAN有効化の一般的な例
ifconfig wlan0 up ←"wlan0"の有効化 iwconfig wlan0 essid xxx ←ESS-IDを"xxx"に設定 iwconfig wlan0 enc xxxxxxxxxx ←WEP-KEYを"xxxxxxxxxx"に設定 iwconfig wlan0 ←"wlan0"の接続状態を確認 (アクセスポイントに接続された場合 MACアドレスが表示される) (以降は通常のネットワークデバイスと同様にIPアドレスの設定などを行う)