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セルフ開発とクロス開発を組み合わせた効率よい開発の進め方

at_takuma.fukuda
2020年1月7日 19時06分

以前、以下の記事においてセルフ開発を進めたものを量産するための手段についてご紹介いたしましたが、
https://users.atmark-techno.com/blog/10899/4050

多数のパッケージを導入し、複雑な構成のアプリケーションを構築している場合、
開発完了後に量産ためのイメージ作成作業を行うことは、想像以上に手間のかかる作業となると思います。
そこで本記事では、セルフ開発とクロス開発を組み合わせて、
よりスムーズに開発フェーズから量産フェーズへ移行する手段をご紹介いたします。

ポイント

重要なのは、開発のフェーズを細かく区切って、都度イメージを作成することです。
例えば、3つの機能を備えたアプリケーションをArmadillo上に実装するとして、
3つの機能全てを実装してからそれをイメージに反映させようとするのではなく、
1つの機能を実装するごとに、関連するパッケージやファイルを反映したイメージを作成するという事です。
イメージ作成をソースコードのバージョン管理のように捉えるてください。
Gitなどでバージョン管理を行う場合、開発中に何度もコミットを行うかと思います。
それと同様にこまめにイメージ作成を行うことで、最終的な量産イメージ作成時に発生する作業を最小化し、
またイメージ作成時のミスの発生も低減させることが出来ます
バージョン管理と同様に、基準となるイメージから複数のブランチを作成して検証することも可能です。

1.ATDEをセットアップする

クロス開発および製品量産のためにはATDEの使用が必須となります。
具体的なセットアップ手順については各Armadillo製品のマニュアルをご確認ください。
参考:
https://manual.atmark-techno.com/armadillo-iot-g3/armadillo-iotg-g3_product_manual_ja-2.3.2/ch04.html#sct.before-work.setup-atde

2.イメージをビルドする準備

イメージのビルドのためには、ソースコードやツールをATDEにダウンロードする必要があります。
ATDEから各ファイルのURLを指定してwgetコマンドを実行することでダウンロードすることが出来ます
例えば、x1-debian-builderをダウンロードするときは、以下のように実行します。

[PC ~]$ wget https://users.atmark-techno.com/files/downloads/armadillo-iot-g3/x1-debian-builder/x1-debian-builder-v2.1.1.tar.gz

もちろん、ブラウザからアクセスしてダウンロードすることも可能です。

3.イメージのビルドとインストールディスク作成

ダウンロードしたファイルをビルドするための手順は各Armadillo製品のマニュアルをご確認ください。
参考:
https://manual.atmark-techno.com/armadillo-iot-g3/armadillo-iotg-g3_product_manual_ja-2.3.2/ch10.html カーネル・ブートローダ・ユーザーランドのそれぞれのイメージをビルドしたら、それらを書き込むためのインストールディスクを作成します。
インストールディスク作成の手順も各Armadillo製品のマニュアルをご確認ください。
参考:
https://manual.atmark-techno.com/armadillo-iot-g3/armadillo-iotg-g3_product_manual_ja-2.3.2/ch11.html#sct.use_install_disk

4.インストールの実行

作成したインストールディスクを使用してArmadilloへ各イメージを書き込んでください。
インストールディスクの使用手順は各Armadillo製品のマニュアルをご確認ください。
参考:
https://manual.atmark-techno.com/armadillo-iot-g3/armadillo-iotg-g3_product_manual_ja-2.3.2/ch11.html#sct.install_base_software.with_install_disk.install

5.開発

イメージを書き込んだArmadilloを操作して、アプリケーションの作成・デバッグを行っていきます。
パッケージのインストールやアップデートも実機上で行えた方が効率が良いので、
インターネットへ接続することをお勧めいたします。
build-essentialやpythonなどの開発環境・実行環境となるパッケージを適宜インストールし、
コーディングやデバッグを行ってください。

6.イメージ作成・書き込み

こうしてインストールしたパッケージや実装したファイルを反映したイメージを作成します。
反映の仕方については下記をご参照ください
https://users.atmark-techno.com/blog/10899/4053
イメージを作成したら、それをArmadilloに書き込みなおし、動作を確認します。

5と6を繰り返し、量産用のイメージを完成させます。