Armadillo-9/200シリーズ対応のカーネル2.6.26ベータリリース版を更新しました。カーネルのバージョンはバージョン2.6.26-at4-ep93xx-port-pre2です。
フラッシュメモリのカーネルリージョンサイズが圧迫されていたため、サイズを変更しました。カーネルバージョン2.6.26-at4-ep93xx-port-pre2を使用する場合はブートローダを更新する必要があります。
変更前
リージョン | サイズ | アドレス |
---|---|---|
bootloader | 64kB | 0x00000000 - 0x0000ffff |
kernel | 約1.44MB | 0x00010000 - 0x0017ffff |
userland | 約6.44MB | 0x00180000 - 0x007effff |
config | 64kB | 0x007f0000 - 0x007fffff |
変更後
リージョン | サイズ | アドレス |
---|---|---|
bootloader | 64kB | 0x00000000 - 0x0000ffff |
kernel | 2MB | 0x00010000 - 0x0020ffff |
userland | 約5.88MB | 0x00210000 - 0x007effff |
config | 64kB | 0x007f0000 - 0x007fffff |
対応製品
- Armadillo-220
- Armadillo-230
- Armadillo-240
- Armadillo-9
上記以外のボードはサポートされません。
注意事項
本リリースは正式バージョン公開前のベータリリースです。動作不具合等を引き起こす可能性がありますので、ご了承、ご注意の上ご利用下さい。動作不具合を発見した場合は、メーリングリストに投稿をお願いいたします。
ダウンロード
ソースアーカイブおよびイメージファイルは以下からダウンロードすることができます。イメージファイルの作成に使用したatmark-distはv20100603です。
ソースアーカイブ
カーネル: linux-2.6.26-at4-ep93xx-port-pre2.tar.gz
ブートローダ: hermit-at_1.1.21-ep93xx-port-pre2.tar.gz
Armadillo-220 フラッシュイメージ
カーネル: linux-a220-ep93xx-port-pre2.bin.gz
ユーザランド: romfs-a220-recover-ep93xx-port-pre2.img.gz
ブートローダ: loader-armadillo2x0-eth-v1.1.21.ep93xx.port.pre2.bin
Armadillo-230 フラッシュイメージ
カーネル: linux-a230-ep93xx-port-pre2.bin.gz
ユーザランド: romfs-a230-recover-ep93xx-port-pre2.img.gz
ブートローダ: loader-armadillo2x0-eth-v1.1.21.ep93xx.port.pre2.bin
Armadillo-240 フラッシュイメージ
カーネル: linux-a240-ep93xx-port-pre2.bin.gz
ユーザランド: romfs-a240-recover-ep93xx-port-pre2.img.gz
ブートローダ: loader-armadillo2x0-eth-v1.1.21.ep93xx.port.pre2.bin
Armadillo-9 フラッシュイメージ
カーネル: linux-a9-ep93xx-port-pre2.bin.gz
ユーザランド: romfs-a9-ep93xx-port-pre2.img.gz
ブートローダ: loader-armadillo9-eth-v1.1.21.ep93xx.port.pre2.bin
ビルド手順
Atmark-Distのビルド
開発環境およびatmark-distに変更はありません。atmark-distのビルド方法についての詳しい情報は、ダウンロードページの「Atmark Dist 開発ガイド」をごらんください。
atmark-distのコンフィギュレーションで指定するボード名(AtmarkTechno Products)には以下のいずれかを指定してください。
Armadillo-9
- Armadillo-9
Armadillo-220
- Armadillo-220.Base
- Armadillo-220.Recover
Armadillo-230
- Armadillo-230.Base
- Armadillo-230.Recover
Armadillo-240
- Armadillo-240.Base
- Armadillo-240.Recover
Hermit-Atのビルド
次のようにビルドしてください。
Armadillo-200シリーズ
[ATDE]$ tar zxvf hermit-at_1.1.21-ep93xx-port-pre2.tar.gz [ATDE]$ cd hermit-at_1.1.21-ep93xx-port-pre2 [ATDE]$ make make TARGET=armadillo2x0 PROFILE=eth [ATDE]$ ls src/target/armadillo2x0/loader-armadillo2x0-eth-v1.1.21.ep93xx.port.pre2.bin loader-armadillo2x0-eth-v1.1.21.ep93xx.port.pre2.bin
Armadillo-9
[ATDE]$ tar zxvf hermit-at_1.1.21-ep93xx-port-pre2.tar.gz [ATDE]$ cd hermit-at_1.1.21-ep93xx-port-pre2 [ATDE]$ make make TARGET=armadillo9 PROFILE=eth [ATDE]$ ls src/target/armadillo9/loader-armadillo9-eth-v1.1.21.ep93xx.port.pre2.bin loader-armadillo9-eth-v1.1.21.ep93xx.port.pre2.bin
イメージファイルの書き換え
フラッシュメモリのリージョンサイズを変更したため、書き換えには注意が必要です。次の手順で書き換えを行なってください。
- hermit-atまたは、hermit-at-winを使用して、ブートローダリージョンを書き換える
- hermit-atまたは、hermit-at-winを使用して、カーネルリージョンを書き換える
- hermit-atまたは、hermit-at-winを使用して、ユーザランドリージョンを書き換える
「1.」を行なった時点でLinuxが起動できなくなります。そのためLinuxの起動が必要であるnetflash等は使用できません。
ドライバ
いくつかのドライバが動作検証中です。
Armadillo-9/200シリーズ共通
ドライバ | 説明 |
---|---|
シリアル | 実装済み |
RTC | 実装済み |
LAN | 実装済み |
USB | 動作検証中 |
GPIO | 実装済み |
Armadillo-200シリーズ専用
ドライバ | 説明 |
---|---|
NAND | 実装済み |
LED | 実装済み |
タクトスイッチ | 実装済み |
Armadillo-9専用
ドライバ | 説明 |
---|---|
コンパクトフラッシュ | 実装済み |
IDE | 実装済み |
Armadillo-9/240用
ドライバ | 説明 |
---|---|
VGA | 実装済み |
Armadillo-230専用
ドライバ | 説明 |
---|---|
smsc911x | 動作検証中 |
RTCドライバ
詳しくはこちらをごらんください。
USBドライバ
次のデバイスの動作を確認しています。連続稼動試験は行なっていないためご注意の上ご利用下さい
- USB-シリアル
- USBマウス
- USBキーボード
- USB無線LAN
- USB Bluetooth
- USBオーディオアダプタ
- USBプリンタ
- UVCカメラ
- USBメモリ
GPIOドライバ
詳しくはこちらをごらんください。
NANDドライバ
詳しくはこちらをごらんください。
LEDドライバ
詳しくはこちらをごらんください。
タクトスイッチドライバ
詳しくはこちらをごらんください。
コンパクトフラッシュドライバ
コンパクトフラッシュドライバに対応するカーネルのコンフィギュレーションは以下を参照してください。デフォルトでは有効になっています。
Device Drivers ---> Bus support ---> <*> PCCard (PCMCIA/CardBus) support ---> <*> 16-bit PCMCIA support <*> EP93xx PCMCIA support
このドライバは、PCMCIA互換モードに対応しています。そのため、活線挿抜が可能でI/Oデバイスを動作させることもできます。
IDEドライバ
IDEドライバに対応するカーネルのコンフィギュレーションは以下を参照してください。デフォルトでは有効になっています。
Device Drivers ---> <*> ATA/ATAPI/MFM/RLL support ---> <*> Enhanced IDE/MFM/RLL disk/cdrom/tape/floppy support [*] EP93xx support IDE cable type (80-conductor IDE cables) --->
40芯フラットケーブル使用時は「IDE cable type」を次のように変更してください。この場合、転送モードが、Ultra DMAモード2までに制限されます。
IDE cable type (40-conductor IDE cables) --->
ドライバ仕様
- PIO(Programmed Input / Output) モード4に対応
- Ultra DMAモード0, 1, 2, 3に対応
- CPUリビジョン E0の場合は、Ultra DMAモード3未対応
linux-2.6.12.3-a9と比較して、I/O schedulerをAnticipatory I/O scheduler(AS)からCFQ I/O schedule(CFQ)に変更してあります。そのためシーケンシャルアクセスが主である場合などはパフォーマンスが低下します。解決するためには、I/O schedulerを適宜変更してください。
I/O schedulerに対応するカーネルのコンフィギュレーションは以下を参照してください。
[*] Enable the block layer ---> IO Schedulers ---> Default I/O scheduler (CFQ) --->
armadillo起動後にI/O schedulerを変更したい場合は次のようにします。このコマンド例では、hdaのI/O schedulerをASに変更しています。
[armadillo]# echo anticipatory > /sys/block/hda/queue/scheduler [armadillo]# cat /sys/block/hda/queue/scheduler noop [anticipatory] deadline cfq