はじめに
Armadillo-IoT A6Eは省電力性に優れたIoTゲートウェイです。
山奥や工事現場などの安定した電源供給が難しい場所に設置する場合や、
持ち運びやすくするため電源に接続せず使用しなければならない場合などにおいては、
Armadillo-IoT A6EをIoTゲートウェイとして使用することが最適です。
この記事では、実際にこのArmadillo-IoT A6Eを使って実装可能なシステムの一例をご紹介します。
コンセプト
Armadillo-IoT A6EとUSBカメラを組み合わせて、省電力監視カメラシステムを構築します。
省電力監視カメラシステム=必要なタイミングの画像のみを撮影・収集するシステムです。
例えば、防犯や野生動物の侵入などをチェックするためのシステムの場合、
画像が必要となるのは、侵入が発生した時のみで、それ以外の時間の画像は不要です。
Armadillo-IoT A6Eでは接点入出力機能を備えていますので、人感センサなどと組み合わせれば、
平常時は常に待機状態で電力消費を抑えておき、侵入が発生した可能性のある場合のみに画像の撮影→送信を実行させることが出来ます。
また、特定環境の一定時間ごとの変化を確認したい場合は、
Armadillo-IoT A6E自身で電源をタイマー制御し、
一定時間ごとに起動→撮影・送信を実行して、再び電源をOFFにする。
という動作をさせることが出来ます。
ハードウェア構成
Armadillo-IoT A6Eにはカメラ画像入力のための専用インタフェースが存在しないため、USBカメラを接続します。
USBカメラはUVC(USBビデオクラス) に対応したものを選んでください。
赤外線による暗視機能や耐環境性能など、設置環境や用途に合ったものを選定してください。
また、先述のように侵入者に反応して画像を撮像させるため、センサを使用します。
センサの種別も様々なものがありますが、より電力消費の少ないものを選ぶのが良いかと思います。
また、電源電圧や出力電圧がArmadillo-IoT A6Eと整合するものを選ぶ必要があります。
最後に、これらの機器を動作させるための電源については、蓄電池や太陽光パネル、またはそれらを組み合わせたものなどを使用します。
蓄電池のみの構成は非常にシンプルで小型化しやすいですが、
一定期間ごとに蓄電池の交換を行う必要があります。
太陽光パネルを使用すれば電力を自給して動作させられますが、
夜間や悪天候で日照条件が悪い場合にシステムが動作しません。
太陽光パネルと蓄電池を組み合わせることで、長期間自立運転するシステムを構築することが出来ます。
電源の選定・設計について
使用する蓄電池や太陽光パネルについては、消費電力を試算して、そこから必要な容量を算出するのが良いかと思われます。
Armadillo-IoT A6Eと同じく低消費電力のIoTゲートウェイであるArmadillo-IoT A6を使って電力自給型のIoTゲートウェイを設計する際のガイドを公開しております。
電力自給型 IoT ゲートウェイ設計ガイドArmadillo-IoT ゲートウェイ A6 対応
ゲートウェイ自身の消費電力は異なりますが、設計や電源選定において大いに参考になるかと存じます。
Armadillo-IoT A6E向けの資料も後日公開する予定です。
配線・接続
当ブログでは、蓄電池・人感センサ・USBカメラを組み合わせた小型省電力カメラシステムを構築します。
Armadillo-IoT A6Eと蓄電池、人感センサは以下のような配線で接続します。
人感センサは下記を使用します。
焦電型赤外線センサーモジュール
USBカメラはArmadillo-IoT A6E背面のUSBポートに接続します。
アプリケーション構築
システムを動作させるためにはアプリケーションの構築が必要となります。
このシステムのためのアプリケーションの構築については下記記事で案内します。
Armadillo-IoT A6E:省電力カメラシステム(アプリケーション構築編)