at_yuma.arakawa
2017年12月4日 14時05分
OverlayFSを利用してシステム運用時のディスク使用の増加量を確認できます。
この記事ではそのやり方を紹介します。
Armadillo-X1とArmadillo-IoT G3/G3Lでは、ルートファイルシステムへの書き込みと電源断からの保護のためにLinuxカーネルのOverlayFS機能を利用しています。
OverlayFSの機能によって、起動後のルートファイルシステムに対する差分は、全てRAMディスクに記録されるようになります。そのため、起動後の情報は保存されませんが、電源を遮断した場合でも、eMMCは起動前と変らない状態のまま維持される仕組みです。
RAMディスクは/overlay/ramdisk/upper/にマウントされており、差分はファイル単位でこのディレクトリ以下に格納されます。
試しにrootのホームディレクトリ直下にテキストファイルを作成してみると、以下の通りです。
root@armadillo:~# echo hello > hello.txt root@armadillo:~# ls -l /overlay/ramdisk/upper/root/hello.txt -rw-r--r-- 1 root root 6 Jan 1 09:02 /overlay/ramdisk/upper/root/hello.txt
そのため、システムを運用する際に必要なファイルをすべて配置した状態でOverlayFSを有効化し、その後、運用時の/overlay/ramdisk/upper/の使用量を確認することでディスク使用量がどれだけ増加するかを確認できます。
■ 確認の例
root@armadillo:~# df -h Filesystem Size Used Avail Use% Mounted on overlay 256M 9.8M 247M 4% / udev 10M 0 10M 0% /dev tmpfs 98M 4.8M 93M 5% /run /dev/mmcblk2p2 3.3G 2.5G 649M 80% /overlay/system none 256M 9.8M 247M 4% /overlay/ramdisk <= 9.8MB程使用していると確認できます tmpfs 245M 0 245M 0% /dev/shm tmpfs 5.0M 0 5.0M 0% /run/lock tmpfs 245M 0 245M 0% /sys/fs/cgroup /dev/mtdblock1 128K 128K 0 100% /opt/license tmpfs 49M 0 49M 0% /run/user/0
/overlay/ramdisk にはOverlayFSが使用する作業ディレクトリ /overlay/ramdisk/work も含まれますが、空であるため、9.8MBは全て運用時のディスクの増加量であることが分かります。
root@armadillo:~# ls -l /overlay/ramdisk/work/ total 0 d--------- 2 root root 40 Jan 1 09:01 work root@armadillo:~# ls -l /overlay/ramdisk/work/work/ total 0 root@armadillo:~#
OverlayFSの有効化方法は製品マニュアルを参照してください。(Armadillo-X1・G3/G3L共通です。)