at_ito
2014年10月27日 7時36分
Armadilloのユーザーランドには、「Atmark Dist」と「Debian GNU/Linux」が使用できます。 それぞれに特徴があり、どういった場面でどちらを使えば良いかわからない場合もあるかと 思います。
今回は、簡単にですが「Atmark Dist」と「Debian GNU/Linux」の選び方について紹介します。
ユーザーランドの選択には、簡単に以下のパターンがあります。
- Atmark Distを使用するパターン
- Debian GNU/Linuxを使用するパターン
- Debian GNU/Linuxで開発して、量産開発時にAtmark Distに移行するパターン
それぞれの選択基準を以降で説明します。
Atmark Distを使用するパターン
Atmark Distの特徴としては、以下の点があります。
- 基本はNORフラッシュからRAMに展開されて動くため、突然の電源断時に問題が発生しない
- イメージサイズが小さく、ストレージが不要
- Debian GNU/Linuxに比べログなどの一時ファイルの作成量が少ない
- 手間はかかりますが、Debianパッケージを含むことも可能
- 基本はRAMで動作するため、一部を除いて再起動を行うと起動中の変更が消える
※: 上記はAtmark DistをNORフラッシュに書き込んだ場合の特徴になります。
そのため、以下のような場合において使用すると効果的です。
- 長期的に安定して稼働するシステム向け
Debian GNU/Linuxを使用するパターン
Debian GNU/Linuxの特長としては、以下の点があります。
- SDカードに保存するため、Armadillo上でのシステム変更が楽
- 開発に必要なライブラリなどはapt-getコマンドで簡単にインストールできる
- SDカードを使用しているため、突然の電源断時にファイルシステムが壊れ、起動しなくなることがある
- SDカードの書き換えが発生するため、SDカードの書き換え可能回数を越えることがある
そのため、以下のような場合において使用すると効果的です。
- 開発時の試作向け
- デモ機向け
Debian GNU/Linuxで開発して、量産開発時にAtmark Distに移行するパターン
こちらは前述の「Atmark Distを使用するパターン」と、「Debian GNU/Linuxを使用するパターン」の長所を組み合わせたパターンになります。
試作開発時にはSDカードにインストールしたDebian GNU/Linuxを使用し、簡単にシステムを作成します。
その後、システム構築に必要な環境をAtmark Distに追加していくというような形になります。
以下のURLにある通り、Debian GNU/Linuxで動作するものは必要なファイルさえあればAtmark Distでも動作します。
Howto : Debianのパッケージに含まれるコンパイル済みのバイナリをArmadilloで動作させる方法
そのため、以下のような場合において使用すると効果的です。
- Atmark Distには含まれていない環境を使用して開発する場合向け
- 長期的に安定して稼働するシステム向け