Armadillo-IoT (型番: AG401-)で3G通信できないときの確認項目について説明します。
Armadillo-IoTの型番によって確認方法が異なります。対応関係を以下に示します。
型番 | 外観 | 本FAQに対応/非対応 |
---|---|---|
AG401- | 対応 | |
AG421- | 非対応 こちらを参照してください |
確認項目一覧
- 1. 3Gモジュールが動作できているか
- 2. microSIMが正しく認識されているか
- 3. microSIMがアクティベーションされているか
- 4. アンテナが接続されているか
- 5. 電波環境
- 6. 接続先設定
- 7. LTEで接続していないか
- 8. 通信事業者への問い合わせ
1. 3Gモジュールが動作できているか
1.1 ドライバーの確認
3Gモジュールのドライバーが有効になっているか確認します。
[armadillo ~]$ zcat /proc/config.gz | grep SIERRA
有効の場合、次のように表示されます。
CONFIG_USB_SIERRA_NET=y
CONFIG_USB_SERIAL_SIERRAWIRELESS=y
無効の場合、次のように表示されます。
# CONFIG_USB_SIERRA_NET is not set
# CONFIG_USB_SERIAL_SIERRAWIRELESS is not set
無効となっていた場合、カーネルコンフィギュレーションで次のように設定し、 ビルドしたカーネルイメージで起動してください。
Linux Kernel Configuration
Device Drivers --->
[*] Network device support ---> <NETDEVICES>
USB Network Adapters --->
<*> Multi-purpose USB Networking Framework <USB_USBNET>
<*> USB-to-WWAN Driver for Sierra Wireless modems <USB_SIERRA_NET>
[*] USB support ---> <USB_SUPPORT>
<*> USB Serial Converter support ---> <USB_SERIAL>
<*> USB Sierra Wireless Driver <USB_SERIAL_SIERRAWIRELESS>
1.2 TTY デバイスファイル /dev/ttyUSB3 の確認
TTY デバイスファイル /dev/ttyUSB3
から、ATコマンドを実行できるか確認します。
tip
コマンドを実行して /dev/ttyUSB3
に接続します。ボーレートは115200bps です。
[armadillo ~]$ tip -l /dev/ttyUSB3 -s 115200
Connected.
ATI コマンドを実行すると、3G モジュールの情報が表示されます。
ATI
Manufacturer: Sierra Wireless, Incorporated
Model: MC8090
Revision: P1_0_0_23AP R3272 CNSZXD00000132 2014/05/05 17:34:31
IMEI: 013087000546434
IMEI SV: 10
FSN: CEB0704032110
3GPP Release 6
+GCAP: +CGSM,+DS,+ES
OK
tip
を終了するには、チルダ「~」に続いてドット「.」を入力します。
Disconnected.
[armadillo ~]$
1.3 ネットワークデバイスの確認
ifconfig
コマンドでネットワークデバイスの情報が表示できるか確認します。
ご利用のソフトウェア環境によって、ネットワークデバイス名が異なります。 対応関係を以下に示します。
ソフトウェア | ネットワークデバイス名 |
---|---|
Linux 2.6.26-at Atmark Dist v20150424 以前 |
usb0 |
Linux 3.14-at Atmark Dist v20150618 以降 |
umts0 |
[armadillo ~]# ifconfig [name]
[name] Link encap:Ethernet HWaddr DA:F9:67:44:01:07
UP BROADCAST NOARP MULTICAST MTU:1500 Metric:1
RX packets:0 errors:0 dropped:0 overruns:0 frame:0
TX packets:0 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0
collisions:0 txqueuelen:1000
RX bytes:0 (0.0 B) TX bytes:0 (0.0 B
2. microSIMが正しく認識されているか
3g-phone-num
コマンドを実行し、microSIMから電話番号が取得できるか確認します。
[armadillo ~]# 3g-phone-num
[number]
11桁の電話番号が表示されなければ、microSIMが認識されていません。 以下を参考に、正しく取り付けられているか確認してください。
それでも認識できない場合は、他のSIMフリー端末などを使用してmicroSIMが壊れていないか確認してください。
3. microSIMがアクティベーションされているか
microSIMは初期状態ではアクティベーションされていない場合があります。
ご利用の通信事業者が示す手順に従い、アクティベーションを行ってください。
4. アンテナが接続されているか
以下を参考に、アンテナが正しく接続されているか確認してください。
5. 電波環境
3Gモジュールの受信レベルを取得し、電波環境の確認を行います。
tip
コマンドを実行して /dev/ttyUSB3
に接続します。ボーレートは115200bps です。
[armadillo ~]$ tip -l /dev/ttyUSB3 -s 115200
Connected.
AT!GSTATUS?
コマンドを実行すると、3G モジュールの各種状態が表示されます。
AT!GSTATUS?
!GSTATUS:
Current Time: 183 Temperature: 31
Bootup Time: 0 Mode: ONLINE
System mode: WCDMA PS state: Attached
WCDMA band: WCDMA800 GSM band: Unknown
WCDMA channel: 1037 GSM channel: 65535
GMM (PS) state:REGISTERED NORMAL SERVICE
MM (CS) state: IDLE NO IMSI
WCDMA L1 State:L1M_PCH_SLEEP RRC State: DISCONNECTED
RX level (dBm): ---
OK
「RX level (dBm):」が「---」まはた「0.0」となっている場合、電波環境が悪く3G通信ができない可能性があります。
tip
を終了するには、チルダ「~」に続いてドット「.」を入力します。
Disconnected.
[armadillo ~]$
6. 接続先設定
通信事業者から貸与されている、次のAPN 情報を再度確認してください。
- APN
- ユーザー名
- パスワード
- 認証方式(PAP または CHAP)
- PDP Type(IP または PPP)
APN設定は、 3g-set-ap
コマンドで行うことができます。
[armadillo ~]# 3g-set-ap [apn] [user] [password] CHAP IP
7. LTEで接続していないか
Armadillo-IoTの3GモジュールはLTE未対応です。次のようなLTEでの接続はできません。
- LTE専用のmicroSIMを使用する
- LTE/3G両対応のmicroSIMにてAPNがLTE用と3G用で分かれており、LTE側のAPNを設定する
8. 通信事業者への問い合わせ
上記に記載した確認項目のどれにも問題なかった場合、ご利用の通信事業者に以下をご確認ください。
- 契約切れや通信制限が無いか
- サポートエリア内か
- 通信障害/メンテナンス中ではないか