Howto

Armadillo-500 FXでUSB無線LANモジュールを使う

USB無線LANモジュール GW-US54Mini2をArmadillo-500 FXで使用する方法を説明します。

おおまかな手順は下記のようになります。

  1. カーネルのwireless extensionsを有効にする
  2. カーネルの再コンパイル
  3. 無線LANドライバのコンパイル
  4. ファイルの配置とロード
  5. 無線LANの設定

また、確認環境は以下となります。

  • ユーザーランド: Atmark dist v20090126
  • カーネル : linux-2.6.26-at2
  • USB無線LANモジュール : Planex社 GW-US54Mini2
  • USB無線LANモジュールドライバ :RT2501USB v1.1.0.1
  • 開発環境 : atde2

1. ビルド環境構築

ソフトウェアマニュアルを参照しビルド環境を構築してください。

2. menuconfigを行う

設定を変更するためにmake menuconfigして、カーネルのconfigureを選択します。

[PC ~/atmark-dist/]$ make menuconfig

メニュー画面で以下のようにチェックし、Exitして次のメニューに移ります。

Kernel/Library/Defaults Selection --->
  --- Kernel is linux-2.6.x
  (None) Libc Version
  [ ] Default all settings
  [*] Customize Kernel Settings       ←チェックを入れる
  [ ] Customize Vendor/User Settings
  [ ] Update Default Vendor Settings

3. カーネルコンフィグ

Wireless extensionsを有効にします。

Networking  --->
   Wireless  --->
   <*> Wireless extensions        ←チェックを入れる

4. makeする

再makeし、新しいカーネルイメージを作成します。

[PC ~/atmark-dist/]$ make
(各イメージファイルが完成)

ソフトウェアマニュアルを参照し、新しいカーネルイメージをArmadilloに書き込んでください。

5. 無線LANドライバをコンパイルする

無線LANドライバのソースコードをダウンロードし、コンパイルします。

[PC ~/]$ wget http://www.ralinktech.com.tw/data/drivers/2008_0506_RT73_Linux_STA_Drv1.1.0.1.tar.bz2
[PC ~/]$ tar zxvf 2008_0506_RT73_Linux_STA_Drv1.1.0.1.tar.bz2 .
[PC ~/]$ cd 2008_0506_RT73_Linux_STA_Drv1.1.0.1/

Module/Makefileを以下のように変更します。

#PLATFORM=PC        ←コメントアウト
#PLATFORM=CMPC
PLATFORM=A500FX     ←追加
CC = arm-linux-gcc  ←追加
・・・

ifeq ($(PLATFORM),CMPC)
LINUX_SRC = /home/fonchi/vendor/kernel-default-2.6.21/linux-2.6.21
endif
ifeq ($(PLATFORM),A500FX)                  ←追加
LINUX_SRC = /home/atmark/linux-2.6.26-at   ←追加
endif                                      ←追加

(*)LINUX_SRCのパスはご使用の環境に合わせて読み替えてください。

上記のMakefileはこちらからダウンロード可能です。

また、Module/rtmp_def.hにGW-US54Mini2のVendor/Product情報を追加します。

・・・
#define RT73_USB_DEVICES { \
{USB_DEVICE(0x148f,0x2573)}, /* Ralink */      \
{USB_DEVICE(0x148f,0x2671)}, /* Ralink */      \
{USB_DEVICE(0x2019,0xab50)}, /* GW-US54Mini2 */ \
・・・

makeを実行し、モジュールを作成します。

[PC ~/]$ cd Module
[PC ~/]$ make

カレントディレクトリにある、rt73.bin、rt73sta.datを Armadilloの/etc/Wireless/RT73STAに、rt73.koを任意のディレクトリに ftp等でコピーします。 ftpの操作については、スタートアップガイドを参照してください。

ここまでの手順で作成したカーネルとユーザーランドは以下からダウンロード可能です。 ユーザランドは、rt73.bin、rt73sta.dat、rt73.koも組み込み済となっています。 (rt73.koは/lib/modules/2.6.26-at2/netに配置)

linux-a500-fx-usbwlan.bin.gz

romfs-a500-fx-usbwlan.img.gz

6. モジュールをロードする

armadillo上で作成したモジュールをロードします。

[armadillo ~]# insmod rt73.ko
Using rt73.ko
idVendor = 0x2019, idProduct = 0xab50 
usbcore: registered new interface driver rt73

以降はWireless-toolsのドキュメントなどを参考にして、ネットワークの有効化を行なってください。

無線LAN有効化の一般的な例

ifconfig rausb0 up              ←"rausb0 "の有効化
iwconfig rausb0 lan0 essid xxx  ←ESS-IDを"xxx"に設定
iwconfig rausb0 enc xxxxxxxxxx  ←WEP-KEYを"xxxxxxxxxx"に設定
iwconfig rausb0                 ←"rausb0 "の接続状態を確認 
                                 (アクセスポイントに接続された場合
                                  MACアドレスが表示される)
(以降は通常のネットワークデバイスと同様にIPアドレスの設定などを行う)

参考:

USB無線LANモジュールを使う