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ATDE7でEclipse IDE for C/C++ Developersを動かす

at_shigehisa.y…
2018年6月29日 18時25分

Armadillo-640の開発環境ATDE7にEclipse IDEをインストールして、C/C++プログラムをビルドするまでの手順をご紹介します。

1. ダウンロード

本稿執筆時点(2018年6月29日)で、Eclipseの安定板最新バージョンは、Eclispe Photon 4.8です。
ATDE7から以下のコマンドを実行して、Eclipse IDE for C/C++ Developers Linux 32-bitをダウンロードしてください。

atmark@atde7:~$ wget http://ftp.jaist.ac.jp/pub/eclipse/technology/epp/downloads/release/photon/R/eclipse-cpp-photon-R-linux-gtk.tar.gz

2. 展開および各種設定

今回はダウンロードしたEclipseを/optに展開して、パーミッションの変更やシンボリックリンクの作成を行います。以下のコマンドを実行してください。

atmark@atde7:~$ sudo tar zxvf eclipse-cpp-photon-R-linux-gtk.tar.gz -C /opt/
atmark@atde7:~$ cd /opt
atmark@atde7:/opt$ sudo chown -R root:root eclipse/
atmark@atde7:/opt$ sudo chmod -R a+x eclipse/
atmark@atde7:/opt$ sudo ln -s /opt/eclipse/eclipse /usr/local/bin/eclipse

3. 起動

適当なディレクトリでEclipseを起動してください。

atmark@atde7:~$ eclipse

WorkSpaceを指定します。ここではデフォルトの/home/atmark/workspaceとします。
Launchをクリックすると、Eclipseが起動します。

日本語化プラグインは、以下から入手できます。

Pleiades - Eclipse プラグイン日本語化プラグイン

ただし今回インストールしたEclispe Photonの日本語化プラグインは、現時点でリリースされていないため、今回は省略します。

なお、Eclipseを日本語化する場合に必要な設定は、ATDE5でeclipse(C/C++)を使ってみる(インストール)を参照してください。

4. Cプロジェクトの新規作成

メニューの[File]->[New]->[C/C++ Project]を選択すると以下のウィンドウが表示されます。

C Managed Buildを選択して、[Next]をクリックします。

Project Nameに任意の名前(今回はhelloとします)を入力して、[Next]クリックします。

コンフィグレーション画面が表示されます。追加設定が不要な場合は、そのまま[Next]クリックします。

Cross compiler prefixには [arm-linux-gnueabihf-] を、Cross compiler pathには[/usr/bin]を入力して [Finish] をクリックします。

5. Cソースコードの作成

[File]->[New]->[Source File]を選択すると、以下のウィンドウが表示されます。

任意のソースファイル名を入力して[Finish]をクリックします。

ソースウィンドウ中でプログラムを記述します。
今回は、Hello Worldを出力するサンプルにしました。

ソースプログラムの編集が終了したら、[File]->[Save]をクリックしてソースプログラムを保存してください。

6. プロジェクトのビルド

プロジェクトをビルドします。[Project]->[Build Project]をクリックしてください。
ビルド結果はConsoleウィンドウに表示され、生成されたバイナリファイルはProject Windowに表示されます。

以下のフォルダにhelloが作成されます。

atmark@atde7:~/eclipse-workspace/hello/Debug$ ls -l
合計 112
-rwxr-xr-x 1 atmark atmark 40680  6月 29 11:23 hello
-rw-r--r-- 1 atmark atmark    20  6月 29 11:23 hello.d
-rw-r--r-- 1 atmark atmark 52536  6月 29 11:23 hello.o
-rw-r--r-- 1 atmark atmark   962  6月 29 11:23 makefile
-rw-r--r-- 1 atmark atmark   231  6月 29 11:15 objects.mk
-rw-r--r-- 1 atmark atmark   390  6月 29 11:23 sources.mk
-rw-r--r-- 1 atmark atmark   663  6月 29 11:23 subdir.mk

fileコマンドでhelloを見ると、ARM向けにビルドされていることが確認できます。

atmark@atde7:~/eclipse-workspace/hello/Debug$ file hello
hello: ELF 32-bit LSB shared object, ARM, EABI5 version 1 (SYSV), dynamically linked, interpreter /lib/ld-linux-armhf.so.3, for GNU/Linux 3.2.0, BuildID[sha1]=fc868b9a6730d730f137e2a50dd428e326745ec4, not stripped
atmark@atde7:~/eclipse-workspace/hello/Debug$