開発したアプリケーションや、設定ファイルなどを、Atmark Distで作ったユーザーランドに配置する方法について紹介します。
ファイルを追加する方法は、以下のいずれかの方法があります。
- Atmark Distのプロダクトディレクトリにファイルを追加
- Atmark Distのromfsディレクトリにファイルを追加
上記の方法について、それぞれ説明します。
1. Atmark Distのプロダクトディレクトリにファイルを追加
Atmark Distのプロダクトディレクトリ(vendors/AtmarkTechno/プロダクト名)以下にファイルを配置することで、ユーザーランドにファイルを追加することができます。
プロダクトに関連付けられる形になりますので、一旦設定してしまえばmakeコマンド実行時にユーザーランドに含まれる形になります。
1.1. 例1. temp.txtを/etcディレクトリに配置する場合の方法
例として、temp.txtをArmadilloの/etcディレクトリに配置する方法を紹介します。
以下のコマンドのように、temp.txtをプロダクトディレクトリにあるetcディレクトリの下に配置してください。
[atde ~]$ cp temp.txt atmark-dist/vendors/AtmarkTechno/プロダクト名/etc
※: 「プロダクト名」は現在選択しているものに読み替えてください。
その後、atmark-distディレクトリで「make」コマンドを実行してできたユーザーランドで起動すると/etc/temp.txtが配置されていることが確認できます。
1. 2. 例2. temp.txtを/opt/tempディレクトリに配置する場合の方法
例として、temp.txtをArmadilloの/opt/tempディレクトリに配置する方法を紹介します。 以下のコマンドのように、プロダクトディレクトリの下にopt/tempディレクトリを作成し、そのディレクトリにtemp.txtを配置してください。
[atde ~]$ mkdir -p atmark-dist/vendors/AtmarkTechno/プロダクト名/opt/temp [atde ~]$ cp temp.txt atmark-dist/vendors/AtmarkTechno/プロダクト名/opt/temp
以下に指定された行をvendors/AtmarkTechno/プロダクト名/Makefileファイルに追加してください。
$(ROMFSINST) /etc $(ROMFSINST) /home $(ROMFSINST) /usr $(ROMFSINST) /opt ← この行を追加
その後、atmark-distディレクトリで「make」コマンドを実行してできたユーザーランドで起動すると/opt/temp/temp.txtが配置されていることが確認できます。
2. Atmark Distのromfsディレクトリにファイルを追加
プロダクトディレクトリにファイルを追加するのではなく、atmark-dist/romfsディレクトリにファイルを追加する方法を紹介します。
2.1. 例1. temp.txtを/etcディレクトリに配置する場合の方法
例として、temp.txtをArmadilloの/etcディレクトリに配置する方法を紹介します。
Atmark Distで「make」コマンドを実行して、一旦イメージをビルドしておいてください。その状態ではatmark-dist/romfsディレクトリが作成されています。
以下のコマンドのように、atmark-dist/romfs/etcディレクトリにtemp.txtを配置してください。
[atde ~]$ cp temp.txt atmark-dist/romfs/etc
以下のコマンドを実行して、ユーザーランドイメージを作成してください。
[atde ~]$ make romfs image
上記コマンドで作成されたユーザーランドで起動すると/etc/temp.txtが配置されていることが確認できます。
2.2. 例2. temp.txtを/opt/tempディレクトリに配置する場合の方法
例として、temp.txtをArmadilloの/opt/tempディレクトリに配置する方法を紹介します。
Atmark Distで「make」コマンドを実行して、一旦イメージをビルドしておいてください。その状態ではatmark-dist/romfsディレクトリが作成されています。
以下のコマンドのように、atmark-dist/opt/tempディレクトリを作成し、そのディレクトリにtemp.txtを配置してください。
[atde ~]$ mkdir -p atmark-dist/romfs/opt/temp [atde ~]$ cp temp.txt atmark-dist/romfs/opt/temp
以下のコマンドを実行して、ユーザーランドイメージを作成してください。
[atde ~]$ make romfs image
上記コマンドで作成されたユーザーランドで起動すると/opt/temp/temp.txtが配置されていることが確認できます。
2.3. romfsディレクトリにファイルを配置した場合の注意点
atmark-dist/romfsディレクトリにファイルを配置した後、「make romfs image」ではなく、「make」コマンドを実行すると、一旦atmark-dist/romfsディレクトリが削除されるため、配置したファイルも削除されます。
その場合は、再度ファイルをatmark-dist/romfsディレクトリに配置しなおしてください。