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計測機器を運用効率化・IoT化するには?

at_takuma.fukuda
2025年3月12日 13時30分

概要

外部との通信やデータ出力機能について、USBストレージデバイスへのデータ出力機能しか持たない機器であっても、Armadilloを使えば運用効率化・IoT化を図ることが出来ます。

はじめに

ArmadilloはIoTシステムを構築するためのプラットフォームです。
LinuxベースのOSにユーザが開発したアプリケーションを書き込むことで、
様々な機能を自由に実現することが可能です。 新規のシステムを構築するだけでなく、
既存機器を組み合わせてシステム化するのにも使えます。
Armadilloを使って既存機器を効率化した事例をご紹介します。

対象

この記事では計測機器を対象とした事例をご紹介します。
一部の計測機器では、データの外部への出力機能がUSBメモリへのファイル出力のみとなっているものがあります。
Armadilloシリーズ製品はUSBマスストレージデバイスとして動作させることが可能ですので、
Armadillo-640:USBマスストレージとして使用する
このような機器も、Armadilloと組み合わせることで作業の自動化・効率化を行ったり、他のシステムと連携させることが可能です。

事例

ケース1:データ管理の効率化

計測機器Aは計測を実行すると都度USBメモリに対してデータをCSV形式で出力しています。
このデータを元に分析を行いたい場合、データ分析用のPCやデータ保管用のサーバにファイルを移す必要があり、
その間は計測を停止してUSBメモリを取り外す必要がありました。
これに対してシステム①では、Armadilloがデータの中継を行い、これを効率化しました。
計測機器AとArmadilloはUSBケーブルで接続され、計測機器AはArmadilloのストレージに都度ファイルを書き込みます。
Armadilloはストレージに書き込まれたファイルをデータ保管用サーバに自動で送信します。
これによってファイルの移動のために計測を停止させたり、USBメモリの抜き差しを行う余計な手間がなくなり、
作業が効率化されました。

ケース2:IoT化

これまで計測器Aの計測データを各作業者のPCで個別に分析を行っていました。
システム②では、クラウドサービスを活用して、複数拠点の計測データを集めて自動分析を行いました。
システム①と同様に計測機器Aは従来通りUSB経由でファイルを書き込むだけです。
Armadilloがストレージに書き込まれたファイルを読み込み、所定のデータ形式を適切に変換して、
インターネット経由でクラウドサービスに送信します。

ケース3:制御自動化

従来は、計測機器Aの計測結果を元に製造装置のパラメータを手動で設定していました。
読み取り・設定がいずれも手動であるため、リアルタイムな値の反映が難しいものとなっていました。

システム③ではArmadilloが計測機器Aからストレージに書き込まれたファイルを読み込み、
製造装置に対してパラメータ変更のための指示を直接行います。
人によるデータ読み取りと設定作業が不要になり、かつリアルタイムに計測結果を反映した制御を行えるようになります。

まとめ

このように、Armadilloを使用することでUSBメモリへの出力機能しか持たないような機器でもIoTや自動制御システムへ組み込むことが可能となります。
同様のことが可能な小型のボードコンピュータは数多くありますが、
Armadilloシリーズは、産業品質の信頼性の高いハードウェアとセキュアなOSによって構成されており、
大規模なシステム展開においても安心してお使いいただけます。
様々な分野のお客様に20年以上製品を供給しております。

その他

上記ではUSBメモリへのファイル出力機能を持ったものを例としましたが、
シリアル通信やEthernet通信でのデータ出力機能を持ったものでも、同じように通信インタフェースやデータ形式の変換を行うことが出来ます。
何かご検討中のものがございましたら、システム化の可否や適切な機器構成について当社からアドバイスをさせていただきますので、お気軽にお問い合わせください。
毎週水曜日にオンラインでの相談会も開催しております。
Armadilloオンライン個別技術相談会

※注意事項※
Armadilloの標準機能でこれらの用途を実現できるというものではございません。
この記事でご紹介した事例のような機能を実現するには、必ずソフトウェア開発が必要となります。